飲酒習慣と抑鬱のリスク

(2019年4月) "Acta Psychiatrica Scandinavica" 誌に掲載されたカロリンスカ研究所(スウェーデン)などによる研究で、適度な飲酒であれば抑鬱が生じるリスクが低いという結果になりました。
著者: Katalin Gémes et al.
タイトル: Moderate alcohol consumption and depression ‐ a longitudinal population‐based study in Sweden

研究の方法

1998~2000年から 2010年にかけて計3回にわたり、5,087人の男女に飲酒量や鬱症状などに関して尋ねました。

結果

お酒をまったく飲まないグループは、少しお酒を飲む習慣がある(7以下/週)グループに比べて、抑鬱のリスクが1.7倍でした。 飲酒量が7~14杯/週のグループの抑鬱リスクは7杯以下/週のグループと同程度でした。

また、危険な飲酒習慣(*)があるグループは危険でない飲酒習慣があるグループに比べて、抑鬱リスクが1.8倍でした。

(*) 「危険な飲酒習慣」は "hazardous drinking" を訳したもの。 "JAMA Internal Medicine" 誌(1999) に発表されたレビューによると、"hazardous drinking" の定義は「健康に有害となりかねない飲酒量あるいは飲み方(たぶん一気飲みとか)」というもので数値的な基準は定められていないようです。 ただし、この文献に一例として、男性は21杯以上/週および女性では14杯以上/週という基準が挙げられています。

米国立アルコール乱用依存症研究所のサイトに発表されている文献では、"hazardous drinking" を次のように定義しています: 女性では7杯超/週または1回の飲酒量が3杯超、男性では14杯超/週または1回の飲酒量が4杯超。

"JAMA Internal Medicine" 誌(1999)で目についた情報ですが、"hazardous drinking" の類義語は "harmful drinking(有害な飲酒)" で、こちらの定義は「心身の健康に有害となる飲酒」というものです。 "hazardous drinking" よりも明確に有害なのが "harmful drinking" ということでしょうね。