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早死の予防には休肝日を設けるよりも適度な飲酒を心掛けるほうが良さそう

(2017年11月) "Journal of Epidemiology" に掲載された国立がん研究センターの研究によると、飲酒習慣がある人は休肝日を設けるよりも飲酒量を適切に保つほうが早死のリスクを下げる上では効果的かもしれません。

研究の方法

40~69才の日本人男女10万人超の飲酒習慣を調べたのち、18年間ほどにわたり生存状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に1万5千人ほどが死亡しました。

男女ともに、「少量の飲酒習慣がある場合には死亡リスクが低いが飲酒量が増えると逆に死亡リスクが増加する」という関係が見られました。

お酒をまったく飲まないグループに比べたときの死亡リスクの差は次のようなものでした:

男性

  • たまに飲む: -26%
  • アルコール摂取量が1~149g/週: -24%
  • アルコール摂取量が150~299g/週: -25%
  • アルコール摂取量が300~449g/週: -16%
  • アルコール摂取量が450~599g/週: 差なし
  • アルコール摂取量が600g以上/週: +19%

女性

  • たまに飲む: -25%
  • アルコール摂取量が1~149g/週: -20%
  • アルコール摂取量が150~299g/週: 差なし
  • アルコール摂取量が300~449g/週: 差なし
  • アルコール摂取量が450g以上/週: +59%

150gという飲酒量は350mlの缶ビール10本ほどに相当します。 600g/週は350mlの缶ビールを毎日6本ほど飲む量に相当します。

米国の食事ガイドライン(2015年度版)では適度なアルコール摂取量を、女性では14g/日まで、男性は28g/日まで(1週間あたりに換算すると98gと196gまで)としています。

休肝日

飲酒習慣がある人のデータのみを用いて休肝日と死亡リスクの関係を分析したところ、まず女性では休肝日の有無と死亡リスクとのあいだには一切関係が見られませんでした。

男性にしても、休肝日を週に1~2日設けている場合には毎日飲酒する場合に比べてガンや脳卒中で死亡するリスクが下がっていたものの、休肝日が3~4日あるいは5~6日である場合には、死亡リスクはほとんど下がっていませんでした。

1週間における飲酒量が一定で休肝日が多いという人は、飲酒頻度は低くても一回あたりの飲酒量が多い(大量飲酒)のかもしれません。 例えば、1週間のアルコール摂取量が140gで休肝日が週に5~6日という人は、一度の機会の飲酒でアルコールを70~140gも摂っていることになります。

WHO(世界保健機関)の定義によれば大量飲酒とは「1回の飲酒で60g以上のアルコールを摂取すること」ですから、70~140gのアルコールを1回で摂るのは大量飲酒に当たります。

大量飲酒により、心臓・血管・脳などに悪影響が生じたり突然死のリスクが増加したりします。