飲酒によって口の中に住む細菌のバランスが不健康に傾く。ガンのリスク増加の恐れも!?

(2018年4月) "Microbiome" 誌に掲載されたニューヨーク大学の研究によると、飲酒によって口の中に住む細菌の種類構成が不健康に傾く恐れがあります。出典: Drinking Affects Mouth Bacteria Linked to Diseases

これまでの研究では、口腔細菌のバランスにより頭頚部ガン(舌・顎・耳の下などにできるガン)や胃腸のガンのリスクが異なることが示されています。

研究の方法

55~87才の健康な男女1千人超を対象に、口腔内に住む細菌の種類構成を調べたり飲酒量を尋ねたりしました。

結果

男性も女性も飲酒習慣(1日1杯以上)がある人は飲酒習慣が無い人に比べて、歯周病・一部のガン・心臓疾患のリスクに影響する口腔細菌(*)が多く、有害なバイ菌を抑制する善玉菌(†)が少ないという結果でした。

(*) バクテロイデス目の細菌・アクチノマイセス属の細菌・ナイセリア属の細菌。

(†) 乳酸菌(ラクトバチルス目の細菌)

お酒の種類による口腔細菌叢への影響の違いまで調べるには、今回のデータでは量が不足していました。 今回の研究でワインしか飲まないという人は101人、ビールしか飲まないという人は39人、蒸留酒しか飲まないという人は26人でした。

解説

研究者は、飲酒により口内の細菌バランスが不健康に傾く理由がアセトアルデヒドにあるのではないかと考えています。 具体的には:
  1. アルコール飲料の酸のために口腔内が特定の(有益な)細菌の増殖に不利な環境になる。
  2. 一部の細菌(主にナイセリア属の細菌)が有害なアルコールからアセトアルデヒドなどの有害な物質を作り出す。 ナイセリア菌それ自体には病原性はないとされる。 アセトアルデヒドは肝臓から放出される酵素によってアルコールが分解されるときにも生じる。
  3. ラクトバチルス菌(Lactobacillus)がアセトアルデヒドを比較的無害な物質へと変換してくれる。