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「早産」の定義が変更されました

(2013年10月) "Obstetrics & Gynecology" 誌で米国の2つの産婦人科学会(*)が発表した声明により、正期産の定義が正式に変更され、妊娠39週目~41週未満が妊娠満期と定められました。
(*) "American College of Obstetricians and Gynecologists" と "Society for Maternal-Fetal Medicine"。
従来の定義では、正期産(生まれるのが早過ぎもせず、遅過ぎもしない)は妊娠37~42週目であるとされていました。
早産について
世界全体における妊娠の5~13%が早産です。 早産は新生児が死亡する主因であり、新生児死亡の28%に関与しています。 生き延びることができた場合にも、早産で生まれた子供は呼吸器トラブル・脳性小児マヒ・知的障害など様々な健康問題に生涯にわたって悩まされがちです。 わずか2~3週の早産であっても、正期産で生まれた子供に比べて、入院したり病気になったりするリスクが増加します。
新しい定義の詳細

新しい定義による妊娠期間の分類は次の通りです:

  1. 早産(preterm): 37週未満
  2. 後期早産(early term): 妊娠37週~38週と6日
  3. 正期産(full term): 妊娠39週~40週と6日
  4. 過期産(late term): 妊娠41週~41週と6日
  5. 超過期産(post term):妊娠42週目以降
「後期早産」、「超過期産」という訳語は適当です。 プレスリリースに37週目未満の定義が記載されていなかったため37週目未満を早産としたのは推測によりますが、37週未満を preterm とし、37と38週を early term、39週以降を full term としているニュースもあるので、これで良いと思います。

妊娠期間の計算は基本的に、最後に生理があった日から起算しますが、超音波検査の結果によって修正されることもあります。

専門家によると、37週目で自然に出産するようになるケースでも慌てる必要はありません:
「39週目より前の出産がダメだと言うわけではありません。 (計画早産は)よく検討したうえで行いましょうということなのです」
最新の妊娠期間測定法を用いて妊娠期間には5週間の個人差があるという結果になった研究もあります。 この研究によると、平均妊娠期間は38週と2日ですが、今回発表された新しい定義によると早産ということになります。
定義変更の根拠

妊娠37~42週目を正期産とみなす従来の考え方は、妊娠37週目以降に生まれた子供が順調に成長するという事実に基づいています。 この点に関して変わりはありませんが、最近の研究によると、妊娠39~40週目の間に生まれた子供のほうが、それ以前あるいはそれ以降に生まれた子供よりも、さらに順調に成長します。

定義変更の理由は計画早産の増加

正期産の定義が変更されたのは、39週目より前に薬物または帝王切開による計画早産の増加に対処するためです。

近年、計画出産を選択するケースが増えており、例えば米国では3人に1人が計画出産(普通分娩または帝王切開)で子供を産んでいます。

計画早産が増加している理由
計画出産が増加している理由として、次の理由が推測されています:
  • 医療過誤リスクを医師が恐れる
    出産が上手くいかなかったときに妊婦側から「計画出産をしてくれなかった」という理由で損害賠償を請求されることを恐れる医師が、純粋に医学的には自然出産が好ましくても計画出産を勧める可能性が指摘されています。
  • 計画出産で死産のリスクが減ると考えた
    ただし、複数の研究により、計画出産では死産のリスクが減らないことが示されています。
  • 早期出産で生まれる新生児をケアする技術の進歩
    技術の進歩により早期出産に伴うリスクが減少したので、医師が早期出産を選択しがちになった。

専門家の話では、計画出産による早産がリスクを伴う理由の1つは、医師と患者が出産の時期の計算を間違うためです。 妊娠37~38週目の出産であっても自然出産であれば生まれる子供が健康となる傾向にあります。

計画出産は本来、妊娠高血圧腎症で母体が危険にさらされている場合などに選択されます。 母親が糖尿病で羊水過多だったり、逆に羊水の量が少ない場合には、計画出産すべきかどうかは微妙です。