一部の電子書籍リーダーが睡眠に悪影響

(2014年12月) "Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたペンシルバニア州立大学の研究によると、一部の電子書籍リーダーは睡眠に悪影響を及ぼすと思われます。

研究者は次のように述べています:
「電子デバイスから放出される光は、450nmをピークとするブルーライトを自然光よりも多く含んでいます。 光の成分が自然光と異なるために、睡眠やサーカディアン・リズムへの影響も強くなります」
日が暮れてから光にさらされると、メラトニンという睡眠に関与するホルモンの放出量が減って概日時計(昼と夜のリズムを生み出す体内時計)が狂うために、眠るべき時間帯に眠れなくなることが知られています。
研究の方法

この研究では、12人の成人に2週間にわたって、iPad(電子書籍リーダーの代わり)を夜寝る前に読んでもらって紙に印刷された書籍を読んだ場合とでメラトニンの放出量や、睡眠の質と時間、翌朝の体調などを比較しました。

12人の被験者には14日間にわたって病院に寝泊りしてもらい、就寝前の4時間(午後6時~10時)に iPad または紙に印刷された書籍で連続5日間にわたり読書をしてもらいました。 そして(おそらく4日間の中和期間を設けた後に)iPad と紙に印刷された書籍を入れ替えて、再び連続5日間にわたり読書をしてもらいました。 読む本の内容は基本的に自由でしたが、①娯楽目的の本でなくてはならない、②文章のみの本でなくてはならないという制限がありました。

研究の結果
その結果、寝る前に iPad で読書したときには紙に印刷された書籍を読んだときに比べて、寝付くのに要する時間が10分近く増加し、REM 睡眠の量が減少していました。 さらに、iPad で読書したときの方が翌朝の疲労感が強く、頭がはっきりするまでに長い時間を要しました。
「この結果は、日中のファンクショニング(個人の能力)に対して実質的な意味合いを持ちます。 それどころか、睡眠前に電子書籍リーダーを使用することによる悪影響が、試験環境で得られた結果以上に実際の生活において大きくなる可能性もあります」
iPad と電子書籍リーダーとの比較
iPad、iPhone、Kindle、Kindle Fire、Nook Color などのデバイスから発せられる光の明るさを測定したところ、最も明るい光が出ていたのは iPad で、Kindle からは光が出ていませんでした。 Kindle Fire と Nook Color からは iPad と同程度の量の光が出ていました。