初乳の頃から少量の人工乳を併用すると母乳継続率が上昇

サンフランシスコ大学の研究グループが行った試験で、体重の減少が甚だしい赤ちゃんであっても生まれてからの数日間のあいだに少量の人工乳を与えることで、結果的に母乳を長期的に与え続けられるという結果になりました。

研究者は次のように述べています:
「生まれて間もない赤ちゃんの体重が減っている場合にも、今回の試験結果に基づき、少量の人工乳を一時的に用いる手法(ELF)の利用を検討してもよいでしょう」
母乳は、赤ちゃんの食事として栄養バランス的に完全であるだけなく、赤ちゃんを感染症やアレルギーから守る様々な成分を含んでいます。 そのため、母子ともに健康に問題がない場合には、生後半年間は母乳のみを与えることが推奨されます。
「人工乳はいったん使い始めると、そのままずるずると使ってしまって、母乳を与えなくなる原因になりますが、ELFでは、人工乳を大量には与えないため、赤ちゃんが母乳に戻れないということはありません。 明確な限度量を設定した上で、補助的に少量の人工乳を用いることによって、母親になったばかりの女性が感じる母乳不足のストレスを幾らか和らげようというのがELFなのです」

女性は、子供を生んだのち、直ちに大量の母乳を出すのではなく、まず初乳という母乳の一種を少量分泌します。 初乳には、赤ちゃんのための栄養分と抗体が高濃度で含まれています。

ところが、この初乳が出ている期間中に赤ちゃんの体重が減ってしまって、これが母親の焦り(体重が減っているのにお乳が十分に出ない)の原因となることがあります。 参考記事: 初乳期間中の新生児の体重の減り方が正常かどうかをチェックするツール

そして、この焦りが原因で人工乳を使い始めるのが、生後三ヶ月以内に母乳を止めてしまう理由のトップなのです。

試験の内容

今回の試験では、満期で生まれた生後24~48時間の新生児40人を対象に行われました。 これらの新生児はいずれも、生まれてから体重が5%減少していました。

これらの新生児を、母乳のみのグループ(以下、「完全母乳グループ」)と、ELFを採用したグループ(以下、「ELFグループ」)に分けました。 今回の試験で採用されたELFの内容は次の通りでした:
  • 新生児に母乳を与えるたびに、その後に続けて1/3オンスの人工乳をシリンジで与えました。 (1オンスが約30mlなので、人工乳の量は10ml程度でしょうか)
  • 一日に8~12回の母乳の授乳を妨げないように、ELFで与える人工乳は少量に抑えました。
  • シリンジを用いたのは、哺乳瓶を用いると、母親の乳首よりも哺乳瓶の乳首を好きになってしまう可能性があるためです。
  • 母親のお乳が初乳から成熟乳(永久乳)に移行して、母乳の量が十分になった時点で、人工乳を与えるのを止めました。
  • 母親で成熟乳が出始めたのは、産後2~5日目でした。

2つのグループに分けて授乳を開始してから1週間目の時点で、その時点から過去24時間以内に人工乳を与えられた率は、ELFグループで10%であったのに対して、完全母乳グループでは47%でした。

さらに、生後三ヵ月以降で母乳が続いている率についても、ELFグループでは79%という高率を維持していたのに対して、完全母乳グループでは42%にまで減少していました。

三ヶ月目の時点で母乳を部分的に続けている率についても、ELFグループで95%だったのに対して、完全母乳グループでは68%でした。

1つ上のパラグラフが部分的にでも母乳を続けている割合についての記述ということは、2つ上のパラグラフは、母乳100%の割合ということでしょうか。 「生後三ヵ月以降」と「三ヶ月目の時点」という違いは、ソース記事でも同じです。 "after three months" と "at three months"。
ただし研究グループによると、今回の試験結果は、もっと大規模な試験で確認する必要があります。