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有害物質ホルムアルデヒドは体内でも作られるが、人体はそれすらも利用する

(2017年8月) 毒性の物質として知られるホルムアルデヒドですが、"Nature" 誌に掲載されたMRC分子生物学研究所(英国の国立研究所)の研究により、一部のホルムアルデヒドが人体の細胞の正常なプロセスの副産物として作り出されることが確認されました。

これまでにもヒトの体内でホルムアルデヒドが発生していると考えられてきましたが、どこでどのようにホルムアルデヒドが発生されているかは不明でした。

今回わかったこと

一炭素サイクル(one carbon cycle)と呼ばれDNAやアミノ酸など生命にとって不可欠なモノを作り出すうえで必須となるプロセスによりホルムアルデヒドが発生すること、そしてそのホルムアルデヒドから人体にとって有用な物質が作り出されることが明らかになりました。

一炭素サイクル

一炭素サイクルは生命にとって基本的なプロセスで、細菌のような下等生物にも備わっています。 一炭素サイクルでは葉酸塩(ビタミンB9)が用いられて、細胞が増殖したり機能したりするのに必要となるDNAや必須アミノ酸が作られます。

今回の研究では、培養した細胞を葉酸塩で処理してホルムアルデヒドが放出されることを確認しました。
あくまでも細胞実験の話なので、葉酸塩の摂取により体内でホルムアルデヒドが生じることを心配する必要はありません。 実験では、遺伝子改造によりホルムアルデヒドを処理する能力を失わせた細胞に大量の葉酸塩を投入しました。

ホルムアルデヒド → ギ酸塩

ホルムアルデヒドには毒性がありDNAを傷つけますが、今回の研究では、ホルムアルデヒドが特定の酵素によりギ酸塩と呼ばれる比較的無害な物質へと変換されることが明らかになりました。 さらに、ギ酸塩は一炭素サイクルに用いられてヌクレオチドの合成に寄与します。