EPA に炎症に起因する鬱症状のリスクを下げる効果

(2014年10月) "Biological Psychiatry" 誌に掲載された King's College London(英国)の研究によると、炎症を原因とする鬱症状(*)オメガ3脂肪酸の一種である EPA が有効かもしれません。
(*) 炎症によって鬱のリスクが増加することが知られています。 例えば、C型肝炎の治療のためにインターフェロンαを半年間投与した患者群において30%ほどが鬱になったという事例があります。
研究の方法

今回の研究(二重盲検無作為化対照試験)では、C型肝炎の患者152人を3つのグループに分けて、EPA(700mg×5/日)、DHA(350mg×5/日)、またはプラシーボとしてオレイン酸(800mg×5/日)を2週間にわたって服用してもらいました。

そして2週間の服用期間の後に、162人中152人にインターフェロンαを用いた治療を24週間にわたって受けてもらい、その間の鬱の症状の有無を調べました。

結果

EPA を服用していたグループでのみインターフェロンαによる鬱症状のリスクが低下していました。 鬱の発症率は、プラシーボのグループで30%、DHA のグループで28%、EPA のグループで10%でした。

鬱の発症を遅らせる効果は EPA だけでなく DHA にも見られました。 プラシーボのグループではインターフェロンα投与開始の5週目に鬱が発症したのに対して、EPA のグループでは12週目、 DHA のグループでは11.7週目だったのです。

EPA でも DHA でも深刻な副作用はありませんでした。

結論

今回の結果から、炎症の増加により鬱のリスクが増加している患者においてオメガ3多価不飽和脂肪酸が鬱の予防に有効である可能性が示唆されますが、今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。

同じ研究チームによる過去の研究でも、内因性の(体内で作られた)EPA の血中量が少ない人では鬱になるリスクが増加するという結果になっています。