BMI が正常でも心臓周りの脂肪が多いと不整脈のリスクが増加

(2014年11月) 肥満が心房細動(不整脈の一種)のリスク要因であることは知られており、肥満の指標としてはBMI が用いられますが、"American Heart Association 2014 Scientific Sessions" で発表されたロヨラ大学医療センター(米国)の研究によると、心房細動のリスクとの相関関係が強いのは BMI よりも心臓の周囲に付く脂肪(心外膜脂肪組織、"EAT")です。
心房細動
心房細動は、心房に細動(非常に速く不規則な収縮)が生じることです。 心房細動の原因は左心房に生じる炎症と線維化だと考えられています。
研究者は次のように述べています:
「BMI で判断すれば肥満とはみなされない人の中にも、心臓の周囲にたくさんの脂肪が付いている人は少なくありません。 そして、この心臓周りの脂肪で心房細動のリスクが増加する可能性があります。 BMI などの簡易指標では心血管リスク(心臓や血管の病気のリスク)を正確に判断することは出来ないと思われます」
この研究では、心房細動のある患者54人を調査しました。 このグループにおける EATの量の平均は120立方センチ(120 cubic centimeters)でした。 EAT の量と(心房細動の原因である)左心房における線維化の間には統計的に有意な相関関係(0.45)が見られましたが、BMI と線維化の間には見られませんでした(0.30)。

EAT の量も左心房の線維化も、心臓 MRI 検査(cardiac magnetic resonance imaging)で正確に調べることができます。

長年のあいだ EAT は無害な脂肪であると考えられてきましたが、EAT が放出するタンパク質が繊維化を引き起こして心房細動の原因となっている可能性が考えられます。
「心臓周りの脂肪組織は、心房細動の発症や再発のリスクを減らすための新たなターゲットとなるかもしれません」
EAT は現在の治療技術では対処できませんが、カロリー制限や運動などのダイエットによって減らせます。