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樹状突起棘を保護して癲癇発作を抑制する「LAU化合物」

(2016年7月) ルイジアナ州立大学などの研究チームが、癲癇(てんかん)の発症を予防できる可能性のある化合物を開発したことを "Scientific Reports" 誌に発表しています。 この化合物はマウス実験において、癲癇発作と癲癇発作が樹状突起棘に及ぼすダメージの両方を防ぐ効果を示しました。出典: Novel Compounds Arrested Epilepsy Development in Mice

癲癇と樹状突起棘

樹状突起棘は脳細胞間のコミュニケーションに必要とされます。 癲癇においてはダメージを受けた樹状突起棘の再接続が適切になされず、そのために過剰に接続された(hyper-connected)脳回路が発作を起こしやすい状態になります。

LAU化合物
この化合物は「LAU化合物」と呼ばれるもので複数存在します(*)。 今回の研究では、LAU化合物に神経炎症シグナル伝達受容体(neuroinflammatory signaling receptor)を遮断して樹状突起棘を保護する効果があること、そしてこの効果によって発作の起こりやすさ・発作の発生・過剰興奮性が低減されることが確認されました。
(*) このプレスリリースの元となった論文によると、LAU化合物の正体は「PAF(血小板活性化因子)受容体拮抗剤」という薬です。 そしてPAF受容体拮抗剤として LAU-0901、LAU-09015、LAU-09017、LAU-09018、LAU-09019、LAU-09020、LAU-09021、LAU-09023、LAU-09025 が挙げられていますが、論文中に何度も登場するのは LAU-0901 と LAU-09021 の2つです。 また、この論文によると実験に用いられたマウスの癲癇の種類は側頭葉てんかん(辺縁系てんかん)です。
コメント
研究者は次のように述べています:
「今回のマウス実験では、(LAU化合物を)投与してから最大で100日間にわたり樹状突起棘が保全され、それによって発作が抑制されました」
「LAU化合物に期待できる用途や、癲癇の発症においてLAU化合物がターゲットとするメカニズムに関して、複数の研究を今後行う必要があります」
「既存の抗てんかん薬の大部分は癲癇の症状(発作)を治療するだけで、癲癇という病気それ自体を治療するわけではありません。 PAF受容体拮抗剤の有用性を理解すれば、癲癇という病気自体をどうにかする治療法が開発される糸口になるかもしれません」