癲癇患者の脳は音楽にシンクロしやすい

(2015年8月) "American Psychological Association’s 123rd Annual Convention" にて発表されたオハイオ州立大学の研究によると、癲癇(てんかん)患者は健常者に比べて脳が音楽によく同調します。出典: Can Music Help People with Epilepsy?

研究の背景

癲癇の約80%は側頭葉癲癇と呼ばれるものです。 側頭葉癲癇では癲癇の原因が脳の側頭葉という領域にあると考えられています。 そして耳に入った音楽を処理する聴覚皮質も、この側頭葉に存在します。 このような訳で、研究者は癲癇患者に音楽がもたらす作用を調べることにしました。

研究の方法

この研究では、癲癇患者21人と健常者(人数不明)にモーツァルトの曲とジョン・コルトレーンという20世紀に活躍したジャズ作曲家の曲を聴いてもらい、脳波図という器械を用いて音楽を聴いている最中の脳波を測定しました。

音楽を聴く前、曲と曲のあいだ、および音楽を聴いた後に10分間の静寂を保ち、被験者によってどちらの曲を先に聴くかがランダムに異なるようにしました。

結果

癲癇患者でも健常者でも音楽を聴いているときに脳波の活性が増加するという点では同じでしたが、癲癇患者の脳波の方が音楽に同調する傾向が強く見られました。 この傾向は側頭葉で顕著でした。

実用性
音楽を既存の癲癇治療と併用することで癲癇発作の予防に役立つ可能性があります。