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肥満と突発性偏頭痛の関係

(2013年6月) 米国で3,700人近くの成人を対象に行われた研究によると、肥満が偏頭痛のリスク要因である可能性があります。

BMI が低い人と比べて、高い人のほうが突発性偏頭痛(episodic migraine)になる率が随分と高かったのです。 この傾向は特に、50歳以下の白人女性で強く見られました。 突発性偏頭痛と肥満の関係を調べた研究は今回のものが初めてです。
突発性偏頭痛
突発性偏頭痛とは、一ヶ月に偏頭痛の症状が出るのが14日以下の偏頭痛のことを言います。 これに対して、月に15日以上、偏頭痛の症状が出るものは慢性偏頭痛と言います。
解説

肥満が原因で偏頭痛になるのか、偏頭痛が原因で肥満になるのかは今回の研究からは明らかではありません。 アミトリプチリンやバルプロ酸などの偏頭痛の薬が体重増加に関与していることは知られており、偏頭痛の投薬が原因で肥満率が増えている可能性もあります。

仮に肥満が偏頭痛の原因になっているとすれば、脂肪組織から放出される炎症性の物質が偏頭痛の原因になっているのかもしれません。 閉経前の女性は総じて、(同年代の)男性よりも総脂肪が多く、脂肪の分布も体の深層よりは表層に偏っていますが、閉経後には、このような男女間の違いは減ります。

脂肪組織からは複数の種類の炎症性タンパク質が分泌されます。 どの種類のものがどれだけ分泌されるかは脂肪組織の場所と量により決定されるため、偏頭痛が若い女性と肥満者に多く脂肪組織もこれらの人たちに多いという関係を炎症性タンパク質で説明できる可能性もあります。

一方、偏頭痛が肥満の原因になっているとすれば、その理由として考えられるのは、偏頭痛になると食欲過多になるとか、運動不足になるなどです。 過去の研究により、偏頭痛の患者では視床下部という食欲を司る脳の領域が活性化していることが示されています。

体重を減らせば偏頭痛が治る?

体重を減らせば偏頭痛が治るのでしょうか? 太っている人が体重を減らすのは健康全般にとって有益ですが、研究グループによると、体重を減らせば必ず偏頭痛が治るという保証はありません。

肥満の偏頭痛患者に減量手術(胃を小さくして少量の食事しか受け付けないようにする手術)を行うという研究が過去に複数行われており、患者の一部で減量手術後に頭痛が減りましたが、これらの研究は小規模なものなので、現在のところ、体重を減らせば必ず偏頭痛が治ると断言はできません。

体重の減少それ自体ではなく、体重の減少をもたらす生活習慣の変化によって、偏頭痛の頻度が下がる可能性もあります。 加工食品(ハムや、冷凍食品、カップラーメン、コーンフレークなどなど)や、高カロリーの食品、アルコール飲料はいずれも偏頭痛の引き金となる可能性があります。 ただし、ダイエット努力の一環として取り入れた食品(例えば、人工甘味料)が、逆に偏頭痛の原因となってしまう可能性もあるのでご注意を。

データの量は限定的ですが、重度の肥満者において運動によって偏頭痛の頻度が減少したという研究もあります。