閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

大豆の心臓病予防の効果には腸内細菌による個人差がある

(2017年2月) "British Journal of Nutrition" に掲載されたピッツバーグ大学や滋賀医科大学などの研究によると、大豆の心臓病予防の効果は、大豆の成分であるイソフラボンから腸内細菌が作り出すエクオールという物質のお陰だと考えられます。

大豆と心臓病

これまでの研究では、サルの実験でイソフラボンに動脈硬化を防ぐ作用のあることが示されているほか、大豆を食べることが多いアジアの人に心臓病が少ないという結果になっています。

これに対して、米国で行われた大規模な試験では、イソフラボンを摂取しても動脈硬化に対して効果がないという結果になっていますが、今回の研究はその理由の説明につながります。

研究の方法

40~49才の日本人男性272人の血液と冠動脈石灰化(CAC)(*)の程度を検査しました。 血液検査ではイソフラボンとエクオールの血中濃度を調べて、体内でエクオールが作られているかどうか(†)を判定しました。

そして、血液検査とCAC検査の結果を照らし合わせて、エクオールの有無によってCACがどのように異なるかを調べました。 データの分析においては、血圧・コレステロール値・喫煙習慣・肥満度などの要因を考慮しました。

(*) CACは心臓疾患の初期の兆候です。 CACが見られる人は心臓発作のリスクが相当に増加します。

(†) エクオールの血中濃度が83nmを超えている男性を「体内でエクオールが作られている」とみなしました。
結果

9.6%の男性にCACが見られました。 16%の男性においてエクオールが体内で作られていました。

体内でエクオールが作り出される男性はエクオールが作られない男性に比べて、CACのリスク(オッズ比)が90%低くなっていました。

結論

食事から摂取するイソフラボンの量とCACのリスクとの間には関係が見られなかったことから、大豆イソフラボンに備わる動脈硬化予防の効果は大豆から体内でエクオールが作られることによって発揮されるのだと考えられます。

エクオールについて

豆腐・味噌・豆乳などの大豆食品の1日あたりの摂取量は、日本や中国では25~50mgですが、欧米では2mg未満です。

そして、この大豆摂取量の差に呼応するかのように、体内でエクオールが生産される人の率がアジアでは50~60%(今回の研究では16%でしたが)なのに対して、欧米では20~30%に過ぎないと言われています。
「ホットフラッシュに大豆が効くかどうかは腸内細菌で決まる」では、エクオール生産者の割合がアジア人女性では38%、白人女性では36%となっています。
サプリメント

エクオールはサプリメントが市販されています(日本では大塚製薬が「エクエル」という製品を販売しています)。 エクオールのサプリメントを利用すれば、イソフラボンからエクオールを作り出す腸内細菌が体内にいなくてもエクオールの効果を自分のものにすることが可能であるはずです。

ただし、現時点ではエクオールのサプリメントの適切な用量が確定していませんし、エクオールのサプリメントを飲んで心臓病予防の(あるいはその他の)効果を本当に得られるという確証もありません。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.