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食道ガンはタイプにかかわらず野菜を食べるとリスクが低下

(2017年7月) "Annals of Oncology" に掲載されたインペリアル・カレッジ・ロンドンなどのメタ分析で、食道ガンのリスク要因が再確認されています。

研究の背景

WC RF(世界がん研究基金)とアメリカがん研究協会は 2007年に発表したレポートにおいて「飲酒と肥満により食道ガンのリスクが増加するという信頼性の高いデータが確認された。 また、果物や野菜の摂取により食道ガンのリスクが下がると思われる」と述べていますが、この「信頼性の高いデータ」の大部分は実はケース・コントロール研究(*)のデータです。
(*) 追跡調査を行うコホート研究よりも信頼性が低いとされる。

そこで研究チームは今回、太り具合と食道ガンのリスクとの関係を調べたコホート研究のデータを集めてメタ分析を行うことにしました。

メタ分析の概要

2017年1月10日までに発表された研究の中から所定の基準を満たす57のコホート研究のデータを分析し、次の結果となりました:

食道腺ガン

  • 野菜の摂取量と食道腺ガンのリスクの関係について調べた3つの研究のデータを分析したところ、野菜の摂取量が多いとリスクが下がるという結果になりました。 野菜を食べる量が100g/日増えるごとに、リスクが11%下がるという計算になります。
  • BMIと食道腺ガンのリスクの関係について調べた9つの研究のデータを分析したところ、BMIが大きいとリスクが増えるという結果になりました。 BMIが5増えるごとに、リスクが47%増えるという計算になります。
食道腺ガンは日本人によく見られる食道ガンです。 肥満が食道腺ガンのリスク要因であることはこれまでにも知られています。 食道腺ガンのリスク要因である胃食道逆流症が肥満の人に多いためであると考えられています。

食道扁平上皮ガン

  • 野菜の摂取量と食道扁平上皮ガンのリスクの関係について調べた3つの研究のデータを分析したところ、野菜の摂取量が多いとリスクが下がるという結果になりました。 野菜を食べる量が100g/日増えるごとに、リスクが16%下がるという計算になります。
  • BMIと食道扁平上皮ガンのリスクの関係について調べた8つの研究のデータを分析したところ、BMIが大きいとリスクが下がっていました。 BMIが5増えるごとに、リスクが36%減る(*)という計算になります。
  • 加工肉(ソーセージやハムなど)の摂取量と食道扁平上皮ガンのリスクの関係について調べた3つの研究のデータを分析したところ、加工肉の摂取量が多いとリスクが増えるという結果になりました。 加工肉の摂取量が50g/日増えるごとに、リスクが59%増えるという計算になります。
  • 加工肉および赤身肉(†)の摂取量と食道扁平上皮ガンのリスクの関係について調べた3つの研究のデータを分析したところ、加工肉および赤身肉の摂取量が多いとリスクが増えるという結果になりました。 加工肉および赤身肉の摂取量が100g/日増えるごとに、リスクが37%増えるという計算になります。
  • 飲酒量と食道扁平上皮ガンのリスクの関係について調べた6つの研究のデータを分析したところ、飲酒量が多いとリスクが増えるという結果になりました。 飲酒量が10g/日増えるごとに、リスクが25%増えるという計算になります。

(*) 食道扁平上皮ガンは欧米人に多い食道ガンですが、生活習慣の変化により日本でも増加しつつあります。 これまでにも、肥満は食道扁平上皮ガンのリスク要因であるとされていません

(†) 加工肉だけを扱った3つの研究とは別に、加工肉と赤身肉を「不健康な肉」としてまとめて扱った研究が3つあったということでしょう。
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