夜に運動をしても睡眠に悪影響はない?

(2014年2月) これまで「睡眠の質を良くするためには夜の運動は避けるのが良い」とされてきましたが、"Sleep Medicine" 誌に掲載されたアリゾナ州立大学の研究によると、夜(*)に運動をしても運動をしない場合と同程度には熟睡できるかもしれません。
(*) ここでいう「夜」とは、就眠の4時間前までを指します。

ただし今回の研究でも、運動をしない場合や夜に運動をする場合に比べて、朝に運動をする場合のほうが睡眠の質が良くなるという結果でした。

研究の方法

この研究では、1,000人の成人を対象に、運動と睡眠に関するアンケートを電話およびネットにより実施しました。 運動に関する質問項目は、運動習慣の有無/運動を行う時間帯(朝・昼・夜)/運動の種類などで、睡眠運動に関する質問項目は、主観的な熟睡度/毎晩の睡眠時間/寝付くまでに要する時間/起床時の爽快感などでした。

そして、運動の種類(太極拳、ジョギング、庭仕事、スポーツクラブでの運動など)によって、運動の強度を軽・中・高の3つに分類してデータを分析しました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 朝に高強度の運動をするグループでは、運動をしないグループに比べて、熟睡できる率が88%高く、目覚めが爽快でない率が44%低くなっていた。
  • 朝に中強度の運動をするグループでは、運動をしないグループに比べて、熟睡できる率が53%高くなっていた。
  • 夜に高強度あるいは中強度の運動をするグループは、睡眠に関するすべての項目に関して、運動をしないグループと違いが無かった。
この研究に関して、今回の研究に関与していない専門家は、アンケートに基づく主観的なデータは睡眠に関してはあまり正確ではないと述べています:
「例えば、睡眠時無呼吸症(睡眠中に呼吸が止まる)は睡眠障害の中でも深刻なものですが、その睡眠時無呼吸症の患者でも、睡眠の質に(主観的な)不満を持っているのは半数程度でしかありません。 今回のようなアンケートに基づく研究は、結果を鵜呑みにするわけにはゆきません」

米国 National Sleep Foundation のガイドラインでは、夜の運動を否定してはいませんが、ヨガなどリラックスできる運動をすることを推奨しています。

研究グループは「運動の睡眠への影響については個人差があるので自分に合ったパターンを模索するのが良いだろう」と述べています。