過剰な銅が男児のワーキング・メモリーに悪影響?(1/2ページ)

(2015年8月) "Nutrients" 誌に掲載されたペンシルバニア大学などによる研究で銅の血中濃度が高い子供はワーキング・メモリーが劣っているという結果になりました。
Guoping Zhou, Xiaopeng Ji, Naixue Cui, Siyuan Cao, Chang Liu and Jianghong Liu. Association between Serum Copper Status and Working Memory in Schoolchildren. Nutrients 2015, 7(9), 7185-7196; doi:10.3390/nu7095331
予備知識
銅と認知機能

銅は人体において微量が必要とされる元素の1つで脳機能にとっても必須ですが、必要量を超えて細胞中に存在すると有害となる可能性があります。 アルツハイマー病の患者や認知機能が低下している高齢者では銅の血中濃度が高いというデータが複数存在します。参考記事: 銅がアルツハイマー病の原因に? 銅が脳細胞に酸化ストレスを引き起こすためではないかと考えられています。

銅は脳の領域のうち注意力が関与する部分(前頭前野・尾状核・黒質・青斑核)に大量に存在します。

銅の所要量と供給源

10~13才の子供における銅の所要量は現在のところ0.7mg/日(大人は0.9mg/日)だとされています。

銅の含有量が最も多い食品は、内臓肉(レバーなど)と貝類です。 また、銅を大量に含む土壌で栽培された農作物や銅製の配水管で供給される水道水にも銅が多く含まれ、銅の過剰摂取の原因となりかねません。

銅と脂肪

2006年に発表されたラッシュ大学の研究で、銅と飽和脂肪またはトランス脂肪の摂取量が多いと高齢者の認知機能低下リスクが増加するが、銅の摂取量が多いだけではリスクは増加しない結果になっています。

研究の方法

中国に住む10~14才(平均年齢12.04才)の子供826人(44.5%が女子)を対象に銅の血中濃度の検査とワーキング・メモリーのテストを実施しました。

そして、血中銅濃度に応じて子供たちを3つのグループ(84.3μg/dL以下、84.3超~110.4μg/dL、110.4μg/dL超)に分けて、ワーキング・メモリーのテスト結果と照らし合わせました。