認知能力が低いと心臓発作と脳卒中のリスクが高い

(2015年8月) "Neurology" 誌に掲載されたライデン大学(オランダ)の研究で、実行機能(*)のテストの成績が悪い人は心臓発作や脳卒中のリスクが高いという結果になりました。出典: People with Low Scores on Test of Thinking Skills May Be at Higher Risk for Heart Attack
(*) 推論・問題解決・計画立案などに用いられる高度な思考能力のこと。
研究の方法

この研究では平均年齢75才の高齢者 3,929人を対象に実行機能のテストを行ったのち、1~3年にわたって心臓発作と脳卒中の発生状況を追跡調査しました。

高齢者たちはいずれも、認知症・心臓発作・脳卒中の病歴が無いが心臓病の病歴または心臓病のリスク要因(高血圧糖尿病、または喫煙習慣)があるという人たちでした。

結果

追跡期間中における心臓発作の発生件数は375件(1,000人年あたり31人)、脳卒中の発生件数は155件(1,000人年あたり12人)でした。

心臓発作

実行機能テストの成績が最低だったグループでは成績が最高だったグループに比べて、心臓発作のリスクが85%高くなっていました。 心臓発作を起こした人の割合が、成績最低グループで 44/1,000人だったのに対して最高グループでは 22/1,000人だったのです。

脳卒中

実行機能テストの成績が最低だったグループでは成績が最高だったグループに比べて、脳卒中のリスクが51%高くなっていました。

解説
研究者は次のように述べています:

「思考力と記憶力のテスト成績は脳の健康の目安であり、思考テストの成績が悪ければ脳機能が低下していると考えられます。 そして脳機能、特に実行機能の低下は脳血管の疾患を反映している可能性があります。 したがって思考テストの成績に脳卒中のリスクが表れると考えられます。 また、脳の血管疾患は心臓の血管疾患と密接に関わっていますから、思考テストの成績には心臓発作のリスクも表れます」

「今回の結果は統計学的には有意でしたが、思考テストの成績による心臓発作・脳卒中リスクの違いは大きなものではありませんでした」