運動が認知症や鬱症状に有効である理由が明らかに?

(2013年10月) "Cell Metabolism" 誌に掲載された研究により、運動によって脳由来神経栄養因子(BDNF)という成長因子(*)が増加することが確認されました。
(*) 細胞の分裂および生存を調節する機能をもった体内産生物質

運動によって認知機能が向上し、鬱症状・脳卒中・アルツハイマー病などの神経性疾患の症状が緩和することは以前から知られており、BDNFはそのメカニズムにおいて鍵を握っていると考えられていました。

BDNFとは

BDNFとは脳内の神経細胞の成長を促進し維持する作用のあるタンパク質のことで、記憶・学習や食欲抑制に関与しているほか、認知症や鬱症状などの予防にも有効であるとされています。

今回の発見
今回の研究(マウス実験)によると、持久運動(*)によって脳内でFNDC5という分子と、その切断産物である「イリシン」の量が増加し、海馬におけるBDNF遺伝子の発現量が増加します。 遺伝子改造によってイリシンの生産量を減らしたマウスではBDNF遺伝子の発現量が低下しました。
(*) ジョギングや、ウォーキング、自転車、水泳などの有酸素運動。
この研究ではさらに、血中のイリシンの量を増やすことでイリシンが血液脳関門を通り抜けた先の脳内のエリアにおいてBDNFの発現量が増加し、認知機能に関与する遺伝子が活性化することも明らかになりました。