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運動習慣により乳ガンの肺への転移が促進される?

(2017年10月) 有酸素運動の習慣がガンの予防や進行抑制に役立つことが複数の研究で示されていますが、ヤギェウォ大学(ポーランド)の研究チームが行ったマウス実験で、乳ガンが生じているマウスに運動させると、乳ガンからの肺への転移が促進されるという結果になりました。出典: Breast cancer pulmonary metastasis is increased in mice undertaking spontaneous physical training in the running wheel; a call for revising beneficial effects of exercise on cancer progression(PDFファイル))

研究の方法

雌のマウス36匹の乳房に「4T1」という転移しやすいタイプの乳ガンの細胞を注入して乳ガンを発生させ、36匹を2つのグループに分けて一方のグループ(16匹)にのみ回し車で運動できる環境を整えました(自発的に運動させた)。

結果

乳ガンに関しては2つのグループの間で腫瘍のサイズや体積に違いが見られませんでしたが、乳ガンが肺に転移して生じた小結節の数は運動をしたグループに多く生じていました。 肺に生じた小結節の数が、運動をしなかったグループでは平均1.6個だったのに対して運動をしたグループでは14.8個だったのです。

考えられる理由

研究チームは、運動により乳ガンの肺への転移が促進される理由として次の3つの仮説を挙げています:
  • 運動により血管内皮機能が低下するため。
  • 運動により乳ガン腫瘍における血流が改善されてしまうため。 4T1は転移しやすいタイプの乳ガンであるので尚のこと。
  • 運動により活性酸素種(ROS)や活性窒素種(RNS)が生じるため。

まとめ

研究者は次のように述べています:
「『運動が乳ガンの進行抑制にとって有益である』という認識を改める必要があるかもしれないが、今後の研究で運動とガンの転移との関係をさらに詳しく調べなくてはならない」