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運動に認知症を予防する効果

(2017年10月) "BMJ Open" に掲載されたメタ分析によると、運動(余暇に行う身体活動)に認知症を予防する効果が期待できそうです。

メタ分析の方法

主に欧米で運動習慣と認知症のリスクについて調べ 1995年1月~2016年10月のうちに発表された15の前向き研究のデータを分析しました。

結果

運動量が最も多い場合には最も少ない場合に比べて、認知症になるリスクが27%低くなっていました。 運動量が多いほど認知症のリスクが低いという関係も見られました。 運動量が多いと認知症になるリスクが低いという関係は、血管性認知症よりもアルツハイマー病で明確でした。

具体的な運動量まで調べた一部の研究のデータを分析したところ、1週間あたりの運動量が10MET時間(運動で消費するカロリーで言えば500kcal)増えるごとに認知症のリスクが10%低下するという結果になりました。 アルツハイマー病に限ると、この数字は13%でした。

MET時間について

MET」とは「Metabolic Equivalent of Task(身体活動による消費カロリー)」のことです。 「MET時間」は「MET×経過時間」で計算し、例えば3METの運動を2時間続ける(3MET×2時間)と6MET時間の運動量となります。

身体活動が激しいほどMETの値は大きくなります。 例えば「睡眠」のMETは0.9で「テレビ視聴」のMETは1.0ですが、ジョギングのMETは7.0で縄跳びのMETは10.0です。

したがって縄跳びの場合、週に1時間で10MET時間/週という運動量を達成できることになります。 平日の5日間に12分ずつ縄跳びするも良し、毎日 8.57142857分ずつ縄跳びするも良し。

認知症について

アルツハイマー病

65歳以上の人においては、アルツハイマー病が認知症の原因であるケースが最多です。 アルツハイマー病にかかるのは普通は60歳以降ですが、遺伝子変異が原因の場合にはもっと若いときにかかることもあります。

アルツハイマー病の原因としてはアミロイドβというタンパク質で出来ている脳のプラークなどが疑われていますが、明確にはわかっていません。

アルツハイマー病は通例、7~10年かけてゆっくりと進行していきます。 その間に、認知機能がゆっくりと衰えていき、最終的には記憶力・言語能力・判断能力・空間把握能力などが正常に機能しなくなります。

"Frontiers in Aging Neuroscience" 誌(2014年)に掲載されたメアリーランド大学などの研究では、遺伝子的にアルツハイマー病のリスクが高い(APOE-e4 対立遺伝子を保有している)人では特に、運動がアルツハイマー病の予防に有効であることが示されています。

血管性認知症

血管性認知症は、脳への血流が減少あるいは阻止されて脳が損傷を受けるのが原因です。 脳への血流の減少や阻止は、脳卒中や、心内膜炎(心臓弁の感染症)、その他の血管疾患が原因となります。

血管性認知症は、高血圧のある人や、脳卒中あるいは心臓発作が起こった人で発症することが多く、血管性認知症の症状は突如として表れるのが普通です。

血管性認知症は原因や症状によって何種類かに分けられています。 アルツハイマー病や他の認知症を併発することもあります。