(2017年10月) "American Journal of Psychiatry" に掲載された Black Dog Institute(オーストラリア)などの研究で、1日10分間の運動により抑鬱になるリスクが相当に下がるという結果になりました。
研究の方法
ノルウェーに住む成人男女3万4千人を対象に、アンケート調査で運動習慣を調べ、その後の11年間における抑鬱と不安症の発生状況を追跡調査しました。
そして、精神衛生に影響する様々な要因(*)を考慮しつつ運動習慣と抑鬱や不安症のリスクとの関係を分析しました。
(*) 生活状況・社会的な地位・人種・性別・精神疾患の有無・BMIなど。
結果
1週間あたりの運動時間が1~2時間(1日あたり9分~17分)でしかなかった場合にも、運動習慣が無かった場合に比べて抑鬱が生じるリスクが44%低いという結果でした。
運動による抑鬱予防効果の大部分は1時間/週ほどの運動時間で得られていました。 今回調査対象となっていた人たち全員が1時間/週の運動をしていれば、今回発生した抑鬱全体の12%が防がれていたはずだという計算になります。
不安症のリスクと運動時間との間には残念ながら関係が見られませんでした。