体質的に乳ガンになりやすい女性は有酸素運動をするとよい

(2015年10月) "Breast Cancer Research and Treatment" に掲載されたペンシルバニア大学の研究によると、乳ガンになりやすい体質の女性は有酸素運動(ウォーキングやジョギング、自転車、水泳など)によって乳ガンのリスクを減らし、予防的に行われる乳房切除などの外科手術を受ける時期を遅らせられるかもしれません。

研究者は次のように述べています:
「両親から受け継いだ遺伝子変異などのために乳ガンのリスクが高いことが明らかになった女性はこれまで、乳ガンのリスクを下げるのに両方の乳房を切除するなど困難な方法しかありませんでした。 今回の研究により、乳ガンのリスクが高い体質の女性にとって有酸素運動が有益であることが示されました」
既存の乳ガン回避策

BRCA1という腫瘍を抑制する遺伝子に変異がある女性は、一生のうちに乳ガンを発症するリスクが50%を超えます。 そこでBRCA遺伝子に変異のあることが判明した女性に対して医師や保険会社は一般的に、乳ガンのリスクを下げるために乳房と卵巣の切除を行うことを勧めます。 外科手術の代わりにエストロゲンのシグナル伝達を劇的に減らす薬を服用するという選択肢もありますが、この薬には更年期に似た状態になるという副作用がありますし、薬が原因で若いうちに閉経してしまうケースも少なくありません。

研究の方法
乳ガンの家族歴があったり乳ガンになりやすい遺伝子を持っていたりして乳ガンになるリスクが高いとみなされる閉経前(18~50才)の女性139人を次の3つのグループに分けました:
  1. トレッドミル(ルームランナー)で1週間あたり300分の運動をするグループ。
  2. トレッドミルで1週間あたり150分の運動をするグループ。
  3. 1週間あたりの運動時間が75分未満(運動を行うことを指示されない)のグループ。

そして各グループの女性を対象に、月経周期5回分の前後で血液および尿の検査と乳房のMRI検査を行いました。

結果
3のグループでは、エストロゲン感受性を有する乳房組織が試験期間中に20%増加していましたが、1と2のグループでは逆に減少していました(12%と8%)。(1週間あたり)100分の運動を行うとエストロゲン感受性を有する乳房組織(*)が10%ほど減ることになります。
(*) 原文に具体的な説明はありませんが「乳ガンのリスクにおいて最も懸念されるもの」として言及されています。
アドバイス
乳ガンのリスクが高いことが(遺伝子検査により)判明している、あるいは(家族暦により)その疑いがある女性は1日あたり30~60分の有酸素運動を週に5日行うと良いでしょう。