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運動時の水分補給は喉の渇きを目安とするのが良い

(2015年6月) 運動選手は脱水状態を未然に防ぐために尿の色を指標として喉が渇いていなくても水分を補給するように指示されることがありますが、"Clinical Journal of Sport Medicine" に掲載されたガイドラインでは運動時の水分補給を喉が渇いてから行うことが推奨されています。出典: Athletes Should Drink Only When Thirsty, According to New Guidelines

喉が渇いていないのに水を飲み過ぎると運動性低ナトリウム血症(EAH)になる恐れがあります。 これまでに少なくともマラソンやフットボールなどの選手14人がEAHで死亡しています。

ガイドラインには次のようにあります:
「過剰な水分補給によるナトリウム血症と過度の脱水状態の両方を回避するには、喉の渇きという人体に備わるメカニズムを水分補給の目安とすると良い」
運動性低ナトリウム血症とは

運動性低ナトリウム血症(EAH)は腎臓の処理能力を超えて大量に水分を摂取するのが原因で起こります。 水分を体外に排出しきれないために体内のナトリウム濃度が薄くなり、細胞が膨張して生命に関わりかねない危険な状態になります。

EAHはマラソン、トライアスロン、カヌー競技、水泳、軍事訓練、ハイキング、フットボール、部活のしごきとして行われる体操などで発生しています。 ヨーガやローンボウリングなどの激しくない運動で発生したケースも報告されています。

EAHの症状は、軽症の場合にはめまい・ふらつき・吐き気・腫れぼったさ・体重増加などで、重症の場合には嘔吐・頭痛・混乱・朦朧・けいれん・昏睡などです。

EAHの治療には、ナトリウム濃度が3%の食塩水が用いられます。 3%というのは通常の3倍の濃度です。

過剰な水分補給は意味がない

水分を余分に補給しても、疲労感・筋痙攣(こむら返り)・熱射病の予防には役立ちません。 筋痙攣にしても熱射病にしても脱水状態とは関係が無いためです。 熱射病の原因は水分不足ではなく過剰な熱生産です。参考記事: 水分補給だけでは熱中症は防げない

ある程度の脱水状態なら問題なし
健康な運動選手であれば軽~中程度の脱水状態によるリスクはほとんどありません。 3%程度の脱水状態であれば競技パフォーマンスにも影響しません。