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ジョギングなどの有酸素運動で心臓のDNA修復遺伝子が活性化する!

(2017年2月) メアリーランド大学などが行い "Experimental Physiology" 誌に掲載された研究によると、ジョギングや自転車などの有酸素運動が遺伝子レベルで心臓の健康に有益だと思われます。

実験の概要

マウスの一群に回し車で30分間走らせ、その前後で心臓における遺伝子の発現(*)の状況を比較したところ、回し車で走った直後にでDNAのダメージを感知する遺伝子(Chk2)とDNAのダメージを修復する遺伝子(Ku80)の発現量が増加していたのです。

(*) 「遺伝子の発現」とは、遺伝子の設計図に基づいて体内で特定のタンパク質が作られることです。

この2つの遺伝子はヒトでもマウスと同様に調節されるため、今回の結果はヒトにも当てはまると考えられます。

2つの遺伝子について
Ku80遺伝子

Ku80(XRCC5)はDNA修復遺伝子の一種で、一部のガンの組織において一定の割合で発現量が低下することが知られています。 DNA修復遺伝子の発現量の不足はガン全般のリスク増加につながると考えられています。

Ku80は老化にも関与しています。 マウス実験で、Ku80の発現に支障が生じているマウスの老化が早まることが示されています。 Ku80は、テロメアの長さを維持するのにも必要とされます。

"Mechanisms of Ageing and Development" 誌(2009年)に掲載された論文によると、Ku80タンパク質の量はヒト・牛・マウスで著しく異なっており、それが寿命の長さの差につながっている可能性があります。

Chk2遺伝子

Chk2(Chek2)は腫瘍抑制因子の一種で、DNAの損傷に反応してDNA修復やアポトーシス(プログラム細胞死)を引き起こすプロセスを調節しています。

Chk2により作られるタンパク質が正常に機能しない場合には、細胞分割が制御されず、DNAにダメージが蓄積して腫瘍が発生しやすくなります。 Chk2が遺伝子変異体であると乳ガンなど様々なガンのリスクが増加するというデータがあります。