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運動により記憶が失われる心配はない

(2016年8月) 運動をすると脳で新しいニューロンが作られます。 そして以前の研究で、このようにニューロンが新しく作られると古い記憶が忘れ去られる可能性が示唆されていましたが、"Journal of Neuroscience" に掲載されたテキサスA&Mの研究によると、そのような心配はありません。出典: Research Shows New Neurons Created Through Exercise Don’t Cause You To Forget Old Memories

これまでの経緯
運動が認知機能にとって有益であることはよく知られています。 そのような運動の効果は、運動により海馬(*)において新しいニューロンが作られるためだと考えられています。
(*) 脳の領域の1つで、学習・記憶・感情の制御において重要となる。

ところが 2014年に "Science" 誌に、マウスに運動をさせると学習したことを忘れてしまうという研究結果が発表されました。 運動によりニューロン新生が促進されるものの、新しく作られたニューロンによって運動前に形成された記憶が消滅したのです。 そして、新しく作られたニューロンを除去すると、記憶が蘇りました。

今回の研究
今回の研究ではマウスの代わりにラット(*)を用いて 2014年の研究と同じ実験を繰り返したところ、運動により新しいニューロンが大量に作られても記憶力は低下しませんでした。 運動をしなかったラットに比べて、運動前に覚えた事柄に関する記憶に差がなかったのです。
(*) ラットはマウスよりも生理学的にヒトに近く、ニューロンの働きに関してもヒトに似ていると考えられています。
研究者は次のように述べています:
「運動により記憶力に問題が生じることはありません。 多数の研究で、運動が記憶力の向上や気分の改善に有益であることが示されています。 運動で記憶が失われることはないので、安心して運動を続けてください」