運動で嗅覚の衰えを予防できるかも

(2013年10月) 加齢によって嗅覚が衰えることがありますが、"JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery" に掲載された研究によると、日常的に運動することでこれを阻止できるかもしれません。

研究の方法

この研究では、嗅覚の正常な人たち 1,600人(53~97才)を10年間にわたって追跡調査しました。 調査の内容は運動習慣に関するアンケートと嗅覚テストで、嗅覚テストではチョコレートやコーヒーなど8種類の匂いを嗅ぎ取る能力を検査しました。嗅覚テストは、10年の研究期間中に3回実施しました。

結果

研究期間中に嗅覚に障害が生じたのは28%で、データを分析した結果、(年齢や性別の違いを考慮した上で)運動習慣と嗅覚の間に関係が認められました。 週に一回以上、汗をかくほどに運動していた人では、嗅覚障害になるリスクが減少していたのです。 さらに、運動量が多い人ほど、嗅覚障害になるリスクが減っていました。

解説

加齢による嗅覚の衰えは特に男性で顕著ですが、過去の研究によると、53才以上の人の25%に嗅覚障害が見られます。 嗅覚障害のリスク要因となるのは、喫煙や、鼻ポリープ、鼻腔の構造的な異常(deviated septum)などです。参考記事: 匂いが感じられない理由

運動によって嗅覚異常のリスクが減少する理由は不明ですが、研究グループは、運動によって脳機能が向上する、あるいは全身的に健康度がアップするからではないかと推測しています。

また、今回の研究は、運動と嗅覚障害リスク低減との因果関係を示したものではありません。 すなわち、運動習慣のある人が運動以外の面(食事など)においても健康的であるために嗅覚障害のリスクが減っているという可能性もあります。