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極度に激しい運動で敗血症のリスク。 しかし鍛えられた人では...

(2015年6月) "International Journal of Sports Medicine" と "Exercise Immunology Reviews" に掲載されたモナシュ大学(オーストラリア)の2つの研究によると、極度に激しい運動は腸内に住む細菌が血流中に流出して敗血症(血流中に細菌やその毒素が拡がることにより生じる疾患)が起こる原因となることがあります。

研究の内容

2つの研究では、24時間ウルトラ・マラソンとマルチステージ・ウルトラマラソン(数日間連続してマラソンを繰り返す)の参加者の血液をマラソンの前後で採取したものを分析し、マラソンに参加しなかった人たちの血液と比較しました。

ウルトラマラソンの参加者では、長時間にわたる極度の運動によって腸壁に変化が生じて腸内のエンドトキシン(細菌由来の毒素)が血流中に漏れ出していました。 そしてそれによって全身性の炎症反応が生じていました。 全身性の炎症反応というのは深刻な感染症が生じているときに近い状態です。

研究者は次のように述べています:
「今回調査対象となった参加者の大部分は、血中マーカーの数値が敗血症で入院した患者と同じでした」
トレーニングにより適応力が身に付く

トレーニングを十分に積んで鍛えられた人では全身性の炎症反応に対抗するための免疫メカニズムが発達していました。 インターロイキン10と呼ばれる抗炎症物質が増加していたのです。

トレーニングが不足している人の場合には、特に暑い環境下において敗血症に起因する全身性炎症に対抗するためのメカニズムが備わっていないために、速やかに診断・治療がなされなければ致命的な事態になることも考えられます。

実用性
極度に激しい運動(4時間を超える運動や何日にもわたって繰り返される持久運動)を行うには健康診断と十分なトレーニングが必要です。 例えばウルトラマラソンに参加しようとする場合、1ヶ月間のトレーニングでは不十分です。