ガン患者の血縁者では、別のガンのリスクも増加

(2013年7月) "Annals of Oncology" 誌に掲載された研究によると、ガンの家族歴のある人では、そのガンとは別の種類のガンの発症リスクでさえ増加します。 「家族歴がある」とは、近親者に当該の疾患にかかっている、あるいは、かかったことのある人がいるという意味です。

ガン患者の近親者において同じ種類のガンの発症リスクが増加することは知られています。 また、遺伝子に関する研究により、(同一人物において)特定の遺伝子変異によって複数のタイプのガンの発症リスクが増加する(例えば、1つの遺伝子変異で乳ガンと卵巣ガン両方のリスクが増加する)ことも明らかになっています。

今回の研究によると、ガン患者の近親者が別種のガンになるリスクも増加します。 今回の主な結果は次の通りです:

  • 結直腸ガン(大腸ガン)患者の家族では、乳ガンのリスクが1.5倍だった。
  • 喉頭(声帯)ガン患者の第一度近親者では、口腔ガンと咽頭ガンのリスクが3.3倍だった。
  • 口腔ガンまたは咽頭ガンの患者の第一度近親者では、食道ガンのリスクが4倍だった。
  • 乳ガンの患者の第一度近親者では、卵巣ガンのリスクが2.3倍だった。
  • 膀胱ガンの患者の第一度近親者では、前立腺ガンのリスクが3.4倍だった。

この研究では、様々な種類(13種類)のガンの患者 12,000人のデータをガンの無い人 11,000人のデータと比較しました。 両方のグループについて、家族に発症したガンの情報と、ガンのリスク要因となりうる生活習慣などの情報を収集しました。 上記の結果は、喫煙や、飲酒、その他の生活習慣などガンのリスク要因となる要因を考慮したうえでのものです。

ただし、今回の研究では、近親者に発生したガンに関する記憶に両グループで差があるかもしれないという弱点があります。 例えば、ガン患者のグループは自分がガンになっているので近親者がガンになったことも良く覚えているけれど、ガンの無い人たちのグループは自分がガンでないので近親者が過去にガンになったのを忘れている可能性があるというわけです。