断食の際にビタミンCやEを服用すると断食の効果が損なわれる(前編)

(2015年3月) フロリダ大学の研究グループによると、断食の際にビタミンCやEなどの抗酸化物質を服用すると断食の効果が損なわれてしまう可能性があります。

カロリー制限によるアンチエイジング効果

カロリー制限が人体にもたらす有益性については何年も前から研究が行われています。

例えば、アカゲザルを用いた実験では、カロリー摂取量を30%減らすことで年を取っても健康で寿命が著しく延びるという結果になっています。 他の動物実験でも断続的な断食(IF)によるアンチエイジング効果が確認されていますし、ヒトを対象に行われた近年の類似研究でも同様の結果になっています。

しかしながら、IFによりアンチエイジング効果がもたらされるメカニズムは依然として不明です。 その理由の1つは、IFを伴う研究ではどうしても体重が減るために、減量によるアンチエイジング効果と食べないこと自体によるアンチエイジング効果の区別がつかないことにあります。

アンチエイジングと酸化ストレスと抗酸化物質
アンチエイジングにおいては、酸化ストレスによるダメージを回復したり予防したりするのが有益です。 酸化ストレスはフリーラジカルと呼ばれる不安定な電子が余分に結合している分子が過剰に存在することで生じます。
フリーラジカルが別の分子と遭遇すると、この余分に結合してる電子の受け渡しが行われ、それによって最終的に細胞の重要な部分(細胞膜やDNAなど)の内部における電子間の接続が破壊されます。

フリーラジカルに対抗する作用を持つのが抗酸化物質で、抗酸化物質は「不安定な電子」を吸収して無害化してしまいます。

断食と酸化ストレス
断食には細胞を酸化ストレスから保護する作用があると思われます。 そのメカニズムは未だ明確には解明されていませんが、次のような説があります:
  • そもそもフリーラジカルが発生するのは、細胞のエネルギーを作り出すミトコンドリアの機能に問題があるためである。 断食により血糖値が一時的に通常よりも下がり、エネルギー源として使いにくいモノ(脂肪酸など)使わざるを得なくなる。 その状態が続くと、不健康なミトコンドリアが除去されて健康なミトコンドリアが補充され、それによって長期的にはフリーラジカルの生産量が減少する。
  • 断食初期にはフリーラジカルはむしろ僅かに増加するが、これに対して体内で生産される抗酸化物質の量が増加する。