長期間の断食で免疫力が落ちる可能性

(2014年7月) 週のうちの2日間を断食するという断続的な断食(Intermittent Fasting、"IF")が、ダイエットだけでなく、血圧降下や、寿命延長、認知症予防などにも有効であるとして最近人気ですが、"Evolution" 誌に掲載されたバース大学(英国)の研究によると、IF が長期的には免疫系に悪影響を及ぼす可能性があります。

研究の概要

寿命と免疫力との関係について理解することを目的として、ショウジョウバエの実験によりストレスと免疫の4つの遺伝子であって長寿に関与しているものを調査しました。 絶食や抗酸化物質の服用などのアンチ・エイジング療法でも、これらと同様の遺伝子が活性化します。

実験の結果、真菌病原体(カビの菌)に暴露したショウジョウバエでは、これら4つの遺伝子が活性化することにより寿命が有意に延びました。

ところが長期的には、寿命を延ばし生殖能力を増加させる処置(カビの菌への暴露?)によって、ショウジョウバエの免疫応答が大きく減少し、感染症にかかりやすくなっていました。

ヒトの遺伝子にも、今回調査対象となったショウジョウバエの遺伝子に類似するものが存在しているため、ヒトでも同じことが起こる可能性があります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「飢餓や病原菌との接触などのストレスによって寿命が延び、生殖能力が増強されることが知られていますが、これらの有益性と引き換えに免疫機能が落ちることが今回の研究でわかりました」

「今回の結果はあまり驚くほどのことではありません。 数十年も前からマウス実験によって、飢餓状態により深刻な感染症にかかりやすくなることが知られています。 短期的な有益性にばかり目が向き、長期的なデメリットが軽視されていただけのことです」

「最近発表された別の研究で、高齢のガン患者が短期的に断食することで白血球細胞の量が増えて(免疫力が増加して)ガン治療に役立つことが示されています。 この研究では、短期的な絶食であれば有用であることが示されたわけです。 これに対して今回の研究では、断食が長期的には(断食を長期間続けることによって)免疫力が落ちる原因となる可能性が示されました」

「IF などのダイエット法は明らかに健康にとって有益ですが、副作用もあることを心に留めておく必要があります」