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自宅で出来る褐色脂肪の活性化

褐色脂肪とは

脂肪には普通の脂肪(白色脂肪)のほかに褐色脂肪という種類の脂肪もあります。 白色脂肪がエネルギーを蓄えるのに対して、褐色脂肪はエネルギーを消費します。 つまり褐色脂肪にはダイエット効果があるわけです。

ところが、この褐色脂肪は大人になると大部分が消滅してしまいます(赤ちゃんの頃には大量に存在する)。 しかし、大人でも白色脂肪が褐色脂肪のような性質を帯びることがあります。 このように白色脂肪が褐色脂肪的な性質を帯びたもののことをブライト脂肪(またはベージュ脂肪)と言います。

大人であっても自宅で簡単にブライト脂肪を増やしたり、僅かに残っている褐色脂肪を活性化させるのに有効だと思われる方法を以下に列挙します。

褐色脂肪を活性化させる方法

低温

寒さによって白色脂肪が褐色脂肪に変わりカロリー消費量が増加することが知られています。 室温を下げたり、冷たいものを飲食すると良いでしょう。

大人の男性がバケツの水に5分ほど手を突っ込んで冷やすと、首に存在する褐色脂肪が発熱したという報告もあります。 発熱量は、カロリー消費量の10~15%ほどの増加に相当するほどでした。

お茶

"American Journal of Clinical Nutrition"(2017年)に掲載された研究では、お茶の成分であるカテキンとカフェインが入った飲料を5週間にわたり服用し続けると褐色脂肪細胞が活性化して、19℃というさほど寒くもない室温に2時間さらされたときのカロリー消費量が増加しやすい体質になるという結果になっています。

運動

2012年に "Nature" 誌に掲載された米国の研究(マウス実験)では、運動によって白色脂肪が一時的にブライト脂肪に変わり、これによってカロリーの燃焼量が増加するようであることが示されました。 ただし、ブライト脂肪によるカロリーの燃焼効率は褐色脂肪ほどではありません。

この研究では、マウスの筋肉細胞からイリシンというホルモンが放出され、これによって白色細胞がブライト細胞に変化していることも明らかになりました。 イリシンは人体にも存在するので、このヒトでも同じことが起こっている可能性があります。 運動後に生じるカロリー燃焼(アフターバーン)が、白色細胞がブライト細胞に変わるためであるかもしれないのです。

"Cell Metabolism" 誌(2014年)に掲載された研究でも、1時間の運動(エアロバイク)によって10~15分ほど寒さに震えたときと同程度にイリシンが放出されるという結果になっています。
ただし、"Scientific Reports" 誌(2015年)に発表された研究によると、運動によってもイリシンが増えていない可能性があります(それまでの研究はイリシン関連の研究は手法に問題があり、イリシンが増えていないのに増えているという誤った結果になっている)。

ストレス

"Experimental Physiology" 誌(2016年)に掲載されたノッティンガム大学の研究によると、心理的なストレスによって褐色脂肪が活性化する可能性があります。 この研究で5人の女性に数学テストを受けさせたところ、「数学テストを受けなくてはならない」という憂鬱な気持ちがストレスとなって鎖骨の上に存在する褐色脂肪の温度が上がりました。

メラトニン

"Journal of Pineal Research"(2013年9月)に掲載された研究によると、メラトニンによって体重が減少するのは、メラトニンがブライト脂肪の発現を促進するためだと考えられます。

この研究グループは過去の研究で、特殊なネズミを用いた実験によりメラトニンの肥満・高脂血症・高血圧・2型糖尿病に対する効果を調べていましたが、メラトニンによって糖尿病や高脂血症が改善される理由は不明でした。

この研究では、ネズミに継続的にメラトニンを投与することで、ブライト脂肪の発現を誘導することに成功しました。 ネズミでは、鼠径部の皮下にブライト脂肪が散在していました。 この結果から、メラトニンを継続的に服用することで、寒さや運動による(ブライト脂肪を介しての)発熱(カロリー燃焼)効果が向上することが示唆されます。

ビタミンA

"Applied Physiology, Nutrition and Metabolism" に掲載されたモントリオール大学の研究(2014年4月)によると、体内でビタミンA から作り出されるレチノイン酸という栄養素に褐色脂肪を増やす効果があるかもしれません。

この研究で、インスリン抵抗性が生じている肥満マウスにレチノイン酸を投与したところ、血糖値・インスリン抵抗性・体重・脂肪細胞の量が低下しました。 レチノイン酸には UCP1(脱共役タンパク質1)を活性化させる作用があるため、レチノイン酸によって褐色(ベージュ)脂肪が増えたために、これらの効果が得られた可能性があります。

冬眠中の動物の肝臓にビタミンAが大量に蓄えられていることが知られているほか、レチノイン酸は細胞の分化と成熟に関与しているため、脂肪細胞が白色脂肪になる前の未熟な段階で褐色脂肪になるように誘導している可能性があります。

断酒

"Scientific Reports"(2017年)に掲載されたコロンビア大学などの研究(マウス実験)によると、飲酒習慣により褐色脂肪の量が減りカロリー消費量も低下してしまいます。 アルコールにより褐色脂肪が減るのにも、レチノイン酸が関与しているようです。

オメガ3脂肪酸

"Scientific Reports" 誌(2015年12月)に掲載された京都大学の研究によると、魚油(主成分はオメガ3脂肪酸)にも白色脂肪を褐色化させる作用があると思われます。

この研究ではマウス実験において、魚油により消化管に存在する受容体が活性化して交感神経系を発火させ、白色脂肪の褐色化が促進されることが確認されました。 さらに、魚油を与えられたマウスは体重が5~10%、体脂肪が15~25%少なくなりました。

トウガラシ

トウガラシを食べると、トウガラシに含まれるカプサイシンによって脳が寒いと勘違いするために、褐色脂肪が活性化すると考えられます。

乳製品

褐色脂肪を活性化させるうえでは、ヨーグルトや、牛乳、チーズなどの乳製品が大切であると考えられています。 ただし、糖分が添加されているものや、過度に加工されたりするもの、あるいは脂肪分を大量に含むものは逆効果である可能性があります。

野菜

"Diabetes" 誌(2014年)に掲載された研究によると、青葉の野菜に豊富に含まれる硝酸塩にも褐色細胞を活性化させたりブライト化を促進したりする効果が期待できます。

果物

マウス実験により、果物に豊富に含まれるレスベラトロールなどのポリフェノール類によって白色脂肪からベージュ脂肪への変換が促進されてダイエット効果を発揮することが示されています。

ローズヒップ

マウス実験で、ローズヒップに白色脂肪の褐色化を促して体重の増加を抑える効果が確認されています。

シナモン

"Scientific Reports" 誌(2017年)に掲載された研究ではマウス実験により、シナモン抽出物に皮下脂肪組織における白色脂肪の褐色化を促進する作用のあることが示されています。 研究チームは「シナモンを肥満の治療に利用できる可能性がある」と述べています。

糖尿病の薬

コロンビア大学の研究グループが 2012年に、マウス実験およびヒトの細胞を用いた実験で、チアゾリジンジオン(TZD)という糖尿病の薬による白色脂肪の褐色化に成功しています。

ただし、この薬は、肝臓障害や骨折などのリスクが増加するという副作用があるうえに、太りやすくなるという副作用まであるので、現在のところ実用的ではありません。

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