太っているほど痩せにくい

(2015年11月) " Nature Communications" 誌に掲載されたケンブリッジ大学などの研究によると、脂肪が多いほど痩せにくいと思われます。 sLR11 というタンパク質が脂肪細胞による熱産生(エネルギーを燃やすこと)を抑制すること、そして体脂肪が多い人ほど sLR11 が多いことがわかったのです。

研究者の1人は次のように述べています:
「今回の発見により、太っている人が体重を減らすのが驚くほど困難である理由を説明できるかもしれません。 太っている人の脂肪は分子レベルでダイエットに抵抗していると言えるでしょう」
sLR11 と熱産生

sLR11 を持たないマウスでは熱産生とエネルギー消費の量が通常よりも大幅に増えていました。 熱産生とエネルギー消費の増加は、特に高脂肪のエサを食べた後で顕著でした。

普通のマウスやヒトでも摂取カロリーを増やすとカロリー燃焼のペースが増加しますが、増加の幅はわずかです。

さらに、sLR11 が脂肪細胞の特定の受容体に結合して熱産生を阻害していることが明らかになりました。 sLR11 が脂肪組織のエネルギー保存効率を増加させるためのシグナルとして作用し、無制限の熱産生によるエネルギーの損失を防いでいたのです。

脂肪が多い人は sLR11 も多い

ヒトを対象に sLR11 の血中濃度と体脂肪量との関係を調べたところ、sLR11 血中濃度が高い人ほど総脂肪量が多いという関係が示されました。

また、肥満外科手術を受けて体重が減った患者において、体重の減少幅に比例して sLR11 が減っていました。 このことから、sLR11 が脂肪細胞により生産されている可能性が考えられます。

sLR11 の本来の役割
研究チームによると sLR11 には、大量の食事をした後や気温が一時的に下がったときに脂肪細胞が脂肪を燃やしすぎるのを防ぐという役割があるのかもしれません。