筋力トレーニングでも脂肪性肝疾患の改善に有効

(2015年7月) ハイファ大学(イスラエル)などの研究で、有酸素運動ではなく筋力トレーニングでも脂肪性肝疾患の改善に有効だという結果になりました。出典: Good News for People Suffering from Fatty Liver Disease – Resistance Training Can Help

脂肪性肝疾患について

脂肪性肝疾患とは肝臓の脂肪率が5~10%を超える状態のことです。(日本の定義では「肝細胞の30%以上に脂肪滴が認められる状態」) 世間全体における脂肪性肝疾患患者の割合は約30%で、欧米諸国では肝臓の病気として最も一般的です。

脂肪性肝疾患は肝炎や肝硬変の原因となることがあります。 脂肪性肝疾患を抱えている人では糖尿病・心血管疾患・肝臓ガンなどのリスクも増加します。

脂肪性肝疾患は自覚症状が無いのが普通ですが、疲労感や活力不足などが生じることもあります。 脂肪性肝疾患のリスク要因は太り過ぎ・腹部の肥満・糖尿病・脂質異常症(特に中性脂肪)です。

脂肪性肝疾患は薬による治療が難しいケースが多いため、治療は主として生活習慣の改善により行われます。 しかしながら脂肪性肝疾患の患者は運動を好まない傾向にあります。 運動時間が長くなりがちな有酸素運動(ジョギング・自転車・水泳など)は特に好まれません。

研究の方法

この研究では、20~65才の脂肪性肝疾患の患者82人を2つのグループに分けて3ヶ月間にわたり、一方のグループには筋力トレーニングを、そしてもう一方のグループにはストレッチ運動のみを行ってもらいました。

筋力トレーニングはスポーツジムで一回あたり40分を週に3回行ってもらいました。 筋力トレーニングで鍛える部位は腕・胸・脚で、強度は各人の筋力に応じたものとしました。

研究の一環として行う運動以外は、それまで自主的に行っていた運動習慣を含めてそれまでの生活習慣(食事や薬の服用など)を維持してもらいました。

検査項目は体重・血圧・血液検査(肝臓酵素・脂質・血糖値・インスリン)でした。

結果

筋力トレーニングを行ったグループは、3ヵ月後に行った超音波検査で脂肪の肝臓が減り、血中脂質(コレステロール)の数値も改善されていました。

研究者は次のように述べています:
「運動によりインスリン抵抗性が改善され、それによって肝臓でのコレステロール生産量が減少し血中のコレステロールも減るだろうと考えたわけです(そしてその思惑通りの結果だった)」

さらに、筋力トレーニングによってフェリチンの血中濃度も低下していました。 フェリチンは肝臓に存在し鉄分の貯蔵に関与するタンパク質の一種で、肝臓の異常(炎症など)の指標として用いられます(多過ぎると良くない兆候)。 したがってフェリチン血中濃度が低下したということは、肝臓の状態が改善されたということだと思われます。

結論
有酸素運動でも無酸素運動(筋力トレーニング)でも良いので、脂肪肝の患者は運動をするのがよろしい。 食事にも気をつけて体重を減らすようにしましょう。