将来の暗い見通しは鬱の結果ではなく原因?

(2015年6月) "British Journal of Clinical Psychology" に掲載されたペンシルバニア大学のレビューによると、将来の見通しが悲観的なのは抑鬱の結果ではなく原因かもしれません。 つまり鬱であるために将来の見通しを悲観的に感じるのではなく、将来の見通しが悲観的であるために鬱になっている可能性があるというわけです。

研究チームは鬱と将来の見通し(prospection)との関係に関する文献を調査し、将来の見通しに関する次の3つの誤りにより抑鬱が助長されるのではないかと主張しています:
  1. 有り得る将来の生成不良
    他人から見れば可能性として存在する将来のシナリオに当人が気付いていないということでしょうか。
  2. 有り得る将来の評価不良
    可能性として存在する将来のシナリオに気付いてはいても、その内容の認識に誤りがある?
  3. 将来に関するネガティブな思い込み
研究チームは、憂鬱な気分と機能低下(*)のために、このような将来の見通しに関する認識の誤りが持続する可能性を指摘しています。 将来の見通しと抑鬱との間で悪循環が生じるのではないかというのです。
(*) 機能低下 - poor functioning。 検索で調べると、「機能低下」という言葉は様々な意味で用いられますが鬱症状や不安感を指すこともあります。
将来の見通しに関する誤りは、会話療法の一種である認知行動療法(CBT)により思考パターンを変えることによって治療できる可能性があります。