女性でアナフィラキシーが重症化するのはホルモンが原因?

(2014年12月) アナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)が男性よりも女性に多いことが複数の臨床研究で示されていますが、"Journal of Allergy and Clinical Immunology" に掲載された National Institute of Allergy and Infectious Diseases(米国)の研究により、その理由の解明に近づいた可能性があります。
アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、食品・医薬品・虫の毒などにより引き起こされるアレルギー反応のことで、その症状は潮紅(顔などが赤味を帯びる)や発疹のほか、重症の場合には呼吸困難やショック症状(急性循環不全状態)、心臓発作が起こることもあります。

アナフィラキシーの症状は、食品・医薬品・虫の毒などに免疫細胞(特にマスト細胞)が反応して放出する酵素のために体組織が腫れ、血管が拡張することにより生じます。

今回の研究ではマウス実験により、エストロゲン(女性ホルモン)の一種であるエストラジオールが血管に作用するために、雄よりも雌のマウスでアナフィラキシーが重症となり、症状の持続時間も長くなることが示されました。

エストラジオールはeNOS(血管内皮型一酸化窒素合成酵素)の量と活性を増大させることによって血管に作用していました。 eNOSは一部のアナフィラキシー症状の原因となることが知られています。

eNOSの活性を遮断するとアナフィラキシー症状の性別による差が消滅したほか、雌マウスのエストロゲンを遮断するとアレルギー反応(アナフィラキシー)の程度が雄マウスと同程度にまで緩和されました。

ただし、ヒトでもマウスと同じ結果になるとは限りません。