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女性の腎臓ガンは内臓脂肪を減らすと生存期間が延びる?

(2018年4月) "Radiology" 誌に掲載されたワシントン大学セントルイスの研究によると、腎臓ガンを抱えている女性はお腹まわりの脂肪を減らすと生存期間が長くなるかもしれません。出典: For women with kidney cancer, belly fat matters

研究の方法

腎明(淡明)細胞ガン(*)の患者222人(男性145人、女性77人)のデータを用いて、次の2点と死亡リスクとの関係を調べました:
  1. CTスキャンで測定した腹部脂肪(腹部の皮下脂肪+内臓脂肪)の量
  2. 腎臓の腫瘍における解糖(グリコリシス)に関連する遺伝子群の発現状況(活性化の程度)
(*) 米国立衛生研究所(NIH)によると、腎臓ガン全体の92%が腎明細胞ガン。

結果

(腎臓ガンと診断された時点で)内臓脂肪が多かった女性は3年半のうちに半数が死亡していました。 一方、内臓脂肪が少なかった女性は12年後にも半数超が生存していました。 女性は閉経後に内臓脂肪が増加しがちですが、その点を考慮しても内臓脂肪量と死亡リスクとの関係は消滅しませんでした。

男性では内臓脂肪の量と生存期間との間に関係が見られませんでした。

解糖系遺伝子との関連

解糖系遺伝子が活性化しているうえに内臓脂肪が多いという女性(女性全体の1/4ほどがこれに該当)は、腎臓ガンと診断されてからの生存期間が平均2年間でした。

その一方で、解糖系遺伝子が活性化しておらず内臓脂肪も少ないという女性(19人)は、12年間におよぶデータ期間中に一人も死亡していませんでした。

男性でも、解糖系遺伝子が活性化していない場合には生存期間が平均9年間だったのに対して、解糖系遺伝子が活性化している場合には6年間でした。

解説

腎臓ガンの発症・進行のメカニズムに男女で異なる部分があるかもしれません。

研究者は次のように述べています:
「男性と女性とでは体内の環境が異なるため、性別により腫瘍の振る舞いが異なっていても不思議ではありません。健康な男女の場合にも、脂肪がどのように運ばれるかや、細胞がブドウ糖や脂肪酸などの栄養素をどのように利用するかが異なります」