コーヒーに女性のメラノーマを予防する効果

(2016年8月) "BMC Cancer" 誌に掲載されたノルウェーの研究によると、コーヒーに女性のメラノーマを予防する効果を期待できるかもしれません。出典: Coffee consumption and the risk of malignant melanoma in the NOWAC Study

研究の方法

ノルウェーに住む30~70才(平均年齢は40代後半)の女性10万人超を対象にコーヒー飲用量に関するアンケート調査を実施したのち、悪性のメラノーマの発生状況を平均16年間ほどにわたって追跡調査しました。 追跡開始から6~8年間が経過した時点で、コーヒー飲用量の調査を再び行いました。

結果

追跡期間中に762人がメラノーマと診断されました。

レギュラー・コーヒー
レギュラー・コーヒー(*)の飲用量が1日あたり1杯以下というグループと比べたときのメラノーマ発症リスクが、コーヒー飲用量が1杯超~3杯というグループでは-20%、コーヒー飲用量が3杯超~5杯というグループでは-23%でした。
(*) インスタント・コーヒーやコーヒー粉を鍋で煮るギリシャ・コーヒーと違って、紙や布などのフィルターを用いて淹れたコーヒー。

レギュラー・コーヒーの飲用量が最も多かった(5杯超/日)グループでもメラノーマのリスクは一応下がっていました(-26%)が、統計学的に有意な結果ではありませんでした(95% CI: 0.53-1.02)。

レギュラー・コーヒー以外

インスタント・コーヒーやギリシャ・コーヒーの飲用量とメラノーマ発症リスクとのあいだに統計学的に有意と言える関係は見られませんでした。 インスタント・コーヒーやギリシャ・コーヒーを飲む人の数が少なかったためかもしれません。

類似研究

これまでに行われた類似研究には、男性も含むデータでコーヒーにメラノーマ予防の効果があるという結果になったものや、コーヒーにメラノーマ予防の効果があるという結果になったメタ分析などが存在します。 リスクの低減幅はいずれの研究でも-20%ほどです。

閉経後の女性ではコーヒーにメラノーマ予防の効果が無い、という結果になった研究もあります。

考えられる理由

コーヒーの飲用によりメラノーマのリスクが下がる理由として研究チームは次のようなものを挙げています:

カフェイン
2013年に発表された研究(マウス実験)では、カフェインの経口投与に紫外線B波(UVB)が引き起こす炎症応答(発ガンを促進すると考えられている)を担うサイトカインの増加を阻害する効果があるという結果になっています。 カフェインのこの効果は運動と組み合わせると増幅されます。
今回の研究では、コーヒーがカフェイン抜き(デカフ)であるか否かまでは調べていませんが、ノルウェーではデカフ・コーヒーを飲む人はあまりいません。
2012年に発表された別の研究(これもマウス実験)によると、カフェインの摂取により体脂肪が減る(*)ために皮膚の腫瘍が利用できるエネルギーが減るという可能性も考えられます。 マウス実験で、カフェイン摂取・運動・脂肪の除去のいずれによってもUVBによる発ガンが阻害されたり、UVBによって生じた腫瘍の細胞死が促進されるという結果だったのです。
(*) カフェイン入りのコーヒーを4週間飲み続けることで食事量が減り体脂肪も減るという結果になった研究(ヒトの試験)が 2014年に発表されています。 ただし今回の研究では、コーヒー摂取量によるBMIの違いはありませんでした。
カフェイン以外
コーヒーのカフェイン以外の成分にもメラノーマを防ぐ効果を持つものがあると思われますが、これらの成分が体内でどのように作用するかはよく分かっていません。