高血圧の薬で治療抵抗性乳ガンのガン細胞が死滅する

(2016年7月) シンシナッティ大学の研究チームによると、高血圧の治療薬として既に米国食品医薬局(FDA)に承認されている薬を、進行期にある(かなり進行した)治療抵抗性乳ガンの治療に利用できる可能性があります。出典: Researcher to Test Blood Pressure Medication in Clinical Trial for Cancer

フェノルドパム

腎性高血圧の治療に用いられるフェノルドパムという薬には、ドーパミン(神経伝達物質の一種)の4種類ある受容体のうちの1つを活性化させる作用があります。

ドーパミンと乳ガン
研究チームが調べた原発性乳ガンの751の組織(動物とヒトの組織)では、30%でドーパミン1型受容体(*)が過剰に発現しており、この30%の組織には次のような点がみられました:
  • 腫瘍が大きい。
  • ガンが進行している。
  • 転移が生じている。
  • 患者の生存期間が短い。
(*) おそらく「D1受容体」を指す。 フェノルドパムが活性化させるのがドーパミンのD1受容体。
フェノルドパムの乳ガンへの効果
フェノルドパムによってドーパミン受容体の機能が正常化し、ドーパミン受容体がガン細胞を殺す(*)ようになりました。 そしてその結果、ガン細胞が死滅する量が増加して腫瘍の成長やガン細胞の拡散が抑制されました。
(*) 詳細は不明です。
フェノルドパムのメリット
  1. フェノルドパムは脳にまでは入らないので、副作用が少ないと思われる。
  2. 比較的少ない量で効果を発揮する。
  3. 点滴に要する時間が比較的短くて済む。 点滴終了後にも効果を発揮し続ける。
実用化までの道のり
研究チームはこれから第1相試験を行い、乳ガン治療におけるフェノルドパムの安全性と適正な投与量を確認する予定です。