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フェルラ酸を癲癇の治療に利用できる可能性

(2016年8月) "Life Sciences" 誌に掲載されたテヘラン大学の研究によると、ポリフェノールの一種であるフェルラ酸を癲癇の治療に利用できる可能性があります。

研究の背景

既存の抗てんかん薬の中には酸化ストレスと認知機能障害を引き起こすものがあり、そのために利用が制限されるケースがあると考えられますが、フェルラ酸には抗酸化作用と神経保護作用が認められています。 そこで研究チームは、抗てんかん薬による治療にフェルラ酸を利用できないかと考えました。

研究の方法
痙攣発作(キンドリング)を人為的に(*)引き起こしたオスのネズミをいくつかのグループに分けて、フェルラ酸を体重1kgあたり25~100mg投与し、フェルラ酸が発作・認知機能・酸化ストレスに及ぼす影響を調べました。

(*) ペンチレンテトラゾールと呼ばれ痙攣を引き起こす作用のある毒物を投与した。

(†) 酸化ストレスとは活性酸素種(ROS)と抗酸化物質のバランスが崩れた状態のことで、糖尿病・高血圧・加齢によるガンなどのリスク要因であると考えられています。 ROSは細胞が有害な環境にさらされたときに作られます。
結果

キンドリングにより、全身性強直性間代性発作・ミオクローヌス反射・認知機能低下・酸化ストレスが生じました。

フェルラ酸を体重1kgあたり75mgまたは100mg投与した場合に、発作の程度・ミオクローヌス反射の回数・認知機能の低下・酸化ストレスが軽減されました。 自発的な運動量については、フェルラ酸の投与量による違いが見られませんでした。

結論

人為的に癲癇を引き起こしたマウスにおいて、フェルラ酸に抗てんかん効果と酸化ストレスおよび認知機能障害を抑制する効果のあることが示されました。

研究チームは、「抗てんかん薬の補助薬としてフェルラ酸は有望であるように見受けられる」と述べています。 今後の研究で、フェルラ酸が効果を発揮するメカニズムが細胞的および分子的に解明されることが望まれます。