メタボリック・シンドロームの患者にはフェルラ酸が有益?

(2015年8月) "Nutirients" 誌に掲載されたコンケン大学(タイ)などの研究によると、フェルラ酸というポリフェノールの一種がメタボリック・シンドロームの患者に有益かもしれません。
Ketmanee Senaphan, Upa Kukongviriyapan, Weerapon Sangartit, Poungrat Pakdeechote, Patchareewan Pannangpetch, Parichat Prachaney, Stephen E. Greenwald and Veerapol Kukongviriyapan. Ferulic Acid Alleviates Changes in a Rat Model of Metabolic Syndrome Induced by High-Carbohydrate, High-Fat Diet. Nutrients 2015, 7(8), 6446-6464; doi:10.3390/nu7085283 (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法
この研究ではオスのネズミ80匹を用いた実験を行いました。 32匹には普通のエサ、48匹には高炭水化物・高脂肪のエサを与えて10週間を過ごさせ、高炭水化物・高脂肪のエサを与えられた48匹がエサのせいでメタボリック・シンドロームに相当する状態になったところで、32匹と48匹を次の5つのグループに分けてさらに6週間を過ごさせました:
  1. 引き続き普通のエサのみを与えられる16匹のグループ。
  2. 普通のエサに加えてフェルラ酸を60mg/kg/日という用量で経口投与される16匹のグループ。
  3. 引き続き高炭水化物・高脂肪のエサのみを与えられる16匹のグループ。
  4. 高炭水化物・高脂肪のエサに加えてフェルラ酸を30mg/kg/日という用量で経口投与される16匹のグループ。
  5. 高炭水化物・高脂肪のエサに加えてフェルラ酸を60mg/kg/日という用量で経口投与される16匹のグループ。
結果

フェルラ酸を投与された(4と5の)グループでは投与されなかったグループに比べて、インスリン感受性とコレステロール値が改善し血圧の上昇も緩和されました。 フェルラ酸を投与されたグループではさらに、血管機能が改善したために腸間膜動脈のリモデリングが抑止されました。

今回の結果から、フェルラ酸の補給がメタボリック・シンドロームの症状軽減とメタボリック・シンドロームの合併症として生じる心血管疾患の抑制に効果を発揮する可能性が示唆されます。

考えられるメカニズム
研究チームによると、高炭水化物・高脂肪のエサにより引き起こされたメタボリック・シンドロームにフェルラ酸が有効である理由として考えられるのは、①p47phox の発現量低下による酸化ストレスの抑制、②血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現量増加による一酸化窒素の生物学的利用能の増加、および③腫瘍壊死因子α(TNF-α)の抑制です。