胎児性アルコール症候群
妊婦がアルコールを摂取すると、胎児の脳の構造と代謝が変化して、子供の認知的および肉体的な発達に問題が生じます。
このような問題のことを「胎児性アルコール症候群」と言います。 米国疾病管理センター(CDC)によると、新生児 1,000人当たり0.2~1.5人に、胎児性アルコール症候群が見られます。研究の方法
2つのグループの子供たちを対象に、3種類の磁気共鳴映像法(MRI)検査を実施しました。 2つのグループとは、胎児のときに母親に飲酒された子供たち200人のグループと、退治のときにも授乳中にも母親が飲酒しなかった子供たち30人のグループです。
脳梁
MRIを用いて両グループの脳梁(左脳と右脳をつなぐ通信リンクを形成する神経線維の束)の大きさと形を検査したところ、胎児のときに母親に飲酒された子供たちのグループでは、この脳梁の発達が損なわれ、薄くなっているかまたは全く存在しなかったのです。
研究者の話では、この脳梁の発達トラブルは子供の精神的な問題に関わっています。
中枢神経系
この研究グループは次に、拡散加重MRI(DWI)を用いて、両グループの中枢神経系の6つの領域を検査しました。 DWIでは水分の拡散プロセスをマッピングすることで、従来のMRIよりも敏感に組織の異常を探知します。
DWI検査の結果、胎児のときに母親に飲酒されたグループの方が、拡散が有意に増加していました。 研究者によるとこれは、神経的な疾患あるいは脳組織の損傷があるということです。
脳の代謝
研究グループはさらに、プロトン(水素)磁気共鳴分光法(HMR)を用いて両グループの子供たちの脳の代謝を検査しました。 その結果、(飲酒された子供のグループにおいて)代謝に様々な変化が見られました。