(2018年8月) "JCI Insight" に掲載されたコペンハーゲン大学の研究によると、FGF21を増やしたいなら筋力トレーニングよりも持久運動(長時間走り続けるなど)が良いかもしれません。(出典: Cardio exercise and strength training affect hormones differently)
FGF21について
FGF21は主に肝臓で作られるホルモンで、代謝に関与しています。 FGF21にはインスリン感受性を改善したり体重減少を引き起こしたりする作用があり、2型糖尿病や肥満の治療への利用が期待されています。過去に行われたマウス実験には、FGF21で寿命が40%延びるという結果になったものもあります。
研究の方法
健康な若い男性10人(平均年齢24才、平均BMI23.7kg/m2)に自転車による運動と筋力トレーニングをそれぞれ別の日に60分間ずつ行ってもらい、運動前から運動を終えた3時間後までにかけて何度も血液検査を実施してFGF21・FGF19・血糖・乳酸などの状態を調べました。
自転車による運動は最大酸素摂取量の70%の激しさで行いました。 筋力トレーニングの内容は、全身の主要な筋肉群を鍛える動作を10回×5セット行うというものでした。 どちらもかなり激しい運動ですが、被験者はいずれも普段から多少は体を鍛えていました。 自転車で運動をする日と筋力トレーニングを行う日とのあいだには8日間前後の空白期間を設けました。
結果
自転車で運動した場合にのみFGF21が増加しました。 運動前には46pg/mlだったFGF21血中濃度が、運動終了から15分が経過した時点で74pg/mlへと増加し、60分後には166pg/mlへと達しました。 FGF21血中濃度はその後低下し始め、運動終了から120分が経過する頃には運動開始前の水準に戻りました。