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魚をよく食べる人は血圧が低い

(2016年4月) 魚食の高血圧への効果については未だ結論が出ていませんが、"The Journal of Clinical Hypertension" 誌に掲載されたエスピリトゥ・サント大学(エクアドル)などの研究で、魚を食べる量が多い人のほうが血圧が低いという結果になりました。

研究の方法

エクアドルの沿岸地域(アタウアルパ)に住む40才超の男女677人(平均年齢60才、女性率56%)の魚を食べる量と血圧を調べ、血圧に影響する要因を考慮しつつ両者の関係を調べました。

結果

(*)を食べる量が多い人は収縮期(最高)血圧が低いという結果で、魚を食べる回数が1週間につき1回(†)増えるごとに収縮期血圧が2.3mmHg低くなっていました。

ただし、この関係が見られたのは魚を食べる回数が5回/週までの場合であり、6回/週を超えて魚を食べても、それ以上血圧は下がっていませんでした。

(*) 脂肪(オメガ3脂肪酸)を豊富に含む魚に限った。 白身の魚は脂肪分が少ないので除外された。 (†) 1回分は約140g。

補足
魚食の平均回数
データ全体の平均魚食回数は9.1回/週でした。 魚を食べる回数が5回以下だという人は比較的少数派で33%、5~16回だという人が最も多くて56%でした。
血圧の平均値
今回のデータにおける収縮期血圧の平均値は137mmHg(正常高値血圧)、拡張期血圧の平均値は77mmHg(至適血圧)でした。
オメガ3脂肪酸とメチル水銀の推定摂取量
他の研究のデータからの推測によると、アタウアルパ住人におけるオメガ3脂肪酸の平均摂取量は10.6g/週で、メチル水銀の平均摂取量は201ppm/週です。
201ppm/週という水銀摂取量について

WHO(世界保健機構)の定める耐容一週間摂取量(PTWI)は「1.6μg×体重×週」です。 体重が50kgの人の場合、PTWIは560μg(=560PPM)となります。

1週間に魚を食べる回数が平均9回ほどのアタウアルパ住人で水銀の平均摂取量が201ppm/週だとすれば、これはWHOの定める基準値の半分以下ということになるので、魚の種類にもよりますが5回/週くらいまでなら魚を食べる量を増やしても水銀を心配する必要は無いでしょう。(参考記事: オメガ3脂肪酸を多く含む魚
解説

過去の研究によると、オメガ3脂肪酸の一種であるDHAに動脈コンプライアンスを改善して血圧を下げる作用があります。 さらに複数の研究で、魚に含まれるタンパク質にも血圧を下げる作用のあることが示されています。 また、魚に含まれる汚染物質であるメチル水銀がオメガ3脂肪酸の効果を減殺している可能性が考えられます。

結論
脂肪分の多い魚をよく食べる人は収縮期血圧が低いという関係が見られました。 現行の食事ガイドラインでは魚を週に1~2回食べることが推奨されていますが、健康な血圧のためには魚を食べる量を増やすと良いかもしれません。