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魚油の健康効果は腸内細菌を介して発揮される?

(2015年8月) "Cell Metabolism" 誌に掲載されたヨーテボリ大学(スェーデン)の研究により、魚油を多く含むエサを与えられたマウスとラードを多く含むエサを与えられたマウスとで腸内細菌叢が大きく異なることが明らかになりました。 今回の結果から、魚油の健康効果には腸内細菌が関与している可能性が考えられます。
魚油はDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていることで有名です。
魚油とラードの比較

今回の研究ではまず、11週間にわたってマウスにラードまたは魚油を与えて代謝的な健康状態をチェックするという実験を行いました。

ラードを与えられたグループの腸ではバイロフィラ属の細菌が増えていました。 バイロフィラ属の細菌は腸の炎症に関与していると考えられています。 魚油を与えられたグループの腸ではアッカーマンシア・ムニシフィラ(Akkermansia muciniphila)という細菌が増えていました。 この細菌は、マウスに体重を減らす効果と糖代謝を改善する効果をもたらすことが知られています。
Wikipedia(英語版)によると、アッカーマンシア・ムニシフィラはヒトの腸内に住む細菌です。
研究者は次のように述べています:
「ラードと魚油は、カロリーだけでなく食物繊維も含有量が同じです。 そして腸内細菌は食物繊維を主なエサにしているので、ラードと魚油とで腸内細菌に大きな違いが生じたのは驚きでした」
糞便移植

研究チームは次に、エサに含まれる脂肪の種類が直接的にマウスの健康状態に影響しているのではなく、腸内細菌を介して間接的に影響していることを確認するために、魚油のグループとラードのグループの間で糞便移植をするという実験を行いました。

その結果、不健康なエサ(ラードを大量に含むエサ)により健康問題が引き起こされるのにも、そのような健康問題が治まるのも腸内細菌叢しだいであることが確認されました。

魚油を投与されていたマウスの腸内細菌叢を移植されたマウスとラードを投与されていたマウスの腸内細菌叢を移植されたマウスを比較したところ、後者に比べて前者はエサに起因する体重増加と炎症が生じにくかったのです。