魚油サプリメントの大部分は成分が質量ともに不十分

(2015年2月) "Scientific Reports" に掲載されたオークランド大学(ニュージーランド)の研究で、魚油サプリメントの有効成分の含有量がラベルに表示されている量に達していないケースが多数であるという結果になっています。

この研究で32社の魚油サプリメントを購入して、魚油の有効成分であるEPAとDHAの含有量を測定したところ、29社/32社(69%)の製品においてEPAとDHAの含有量がラベルに表示されているよりも少なかったのです。 含有量が表示量以上であったのは僅かに3社の製品だけで、値段が高い製品ほどラベルの表示量と実際の含有量が一致する傾向にありました。

最初から少なかったのか、減ったのか?

魚油サプリメントに実際に含有されている有効成分の量がラベルに表示される量よりも少なくなる理由としては次の2つが考えられます:

  • EPAとDHAのそもそもの含有量が少ない。
  • 魚油が酸化したためにEPAとDHAが失われた。
最初から少ない可能性が高い

各社の魚油製品の酸化値を検査したところ、92%の製品が国際的な3つの基準値(過酸化物値、アニシジン値、総酸化値)の1つ以上において超過していました(許容される以上に酸化が進んでいた)。 しかしながら、作られてから間もない魚油と作られてから時間が経った魚油との間で酸化値に違いが見られませんでした。

したがって、魚油が酸化したためにEPAとDHAが失われたのではなく、EPAとDHAのそもそもの含有量が少ないのだと思われます。(酸化によりEPAとDHAが失われたのであれば古い製品ほど酸化値が増えていくはずだし、そもそも古い製品ほどEPAとDHAが少ないはず)

今回の調査は主としてニュージーランドとオーストラリアで作られた魚油製品を対象に行われましたが、今回の結果が世界的に当てはまるとすれば、購入した魚油製品にラベルに表示されている通りの成分が含有されている確率は10%程度ということになります。

酸化が進んだ魚油は有害?

EPAもDHAも酸化しやすい物質で、分解されると過酸化物と、アルデヒド、ケトンの集合体になってしまいます。 EPAとDHAの酸化を防ぐため、魚油には抗酸化物質が添加されるのが普通です。

いくつかの研究で、EPAやDHAが酸化分解されて生じる物質にこそ抗炎症作用があることが示されていますが、これらの物質は量が多いと臓器毒性や成長不良の原因となったり、アテローム性動脈硬化を促進したりします。

したがって総じて言えば、酸化が進んだ魚油サプリメントの人体への影響は未だ不明であるということになります。