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鬱病の予防には魚をほどほどに食べるのが良い

(2017年9月) "Translational Psychiatry" 誌に掲載された国立がん研究センター(日本)の研究によると、日本人の中高齢者の鬱病予防という観点からは魚の摂取量はほどほどが良いようです。

研究の背景

これまでの研究で、魚や魚に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸(DHAやEPA)の摂取量が多いと抑鬱のリスクが低いことが示されていますが、魚をよく食べる日本人についても同じことが言えるのかどうかを調べた研究はあまり行われてきませんでした。

研究の方法

63~82才の男女 1,181人を対象に、1995~2000年のうちにアンケートで食生活を調べたのち 2014~2015年にかけて精神衛生状態を調査しました。

そして、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA・DPA・ALA)やオメガ6脂肪酸(リノレン酸・アラキドン酸)や魚の摂取量に応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で鬱病のリスクを比較しました。

オメガ3脂肪酸について

オメガ3脂肪酸に分類される脂肪酸はこれまでに10種類以上が見つかっていますが、そのうち人体にとって重要なのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)・DPA(ドコサペンタエン酸)・ALA(αリノレン酸)の4種類です。

この4種類のうちEPA・DPA・DHAの3種類(長鎖オメガ3脂肪酸)は体内で次のように変換されるという関係にあります: EPA → DPA → DHA。

ALA(αリノレン酸)はクルミや菜種油などの植物油に含まれる短鎖オメガ3脂肪酸で、人体で利用されるにはまずEPAやDHAへと変換される必要があります。 人体におけるALAからEPAへの変換率は5%、ALAからDHAへの変換率は0.5%でしかありません。

結果

調査期間中に95人が鬱病と診断されました。

次のグループにおいてのみ鬱病のリスクが低くなっていました(比較対象は摂取量が最低のグループ):
  • の摂取量が上から2番目(111g/日)のグループ: -56%
  • EPAの摂取量が上から3番目(308mg/日)のグループ: -46%(*)
  • DPAの摂取量が上から2番目(123mg/日)のグループ: -58%
(*) 年齢・性別・生活習慣・健康状態などを考慮して分析すると統計学的な有意性が失われた。

DHA・αリノレン酸・オメガ6脂肪酸と鬱病リスクとの間には関係が見られませんでした。

結論

魚・EPA・DPAの摂取量が最大のグループで鬱病のリスクが下がっていなかったことから、魚やオメガ3脂肪酸の摂取量はほどほどが良いのだと思われます。