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「5秒ルール」は間違ってはいないが、それで全てでもない

(2016年9月) 世の中には「5秒ルール」というものがあります。 5秒ルールとは 「床に落ちた食べ物に床のバイキンが移って来るまでに5秒はかかるので、5秒以内であれば拾って食べてもOKだ」 というもので、日本では小学校の頃にこのルールを叩き込まれます。

しかしながら、この5秒ルールは日本だけのルールではなかったようで、米国ラトガース大学の研究チームが大人の視点でが5秒ルールの是非について研究しています。 そしてその結果、5秒ルールが通用するかどうかが床に落ちる食品と床の種類により異なることが明らかになりました。
この研究は "Applied and Environmental Microbiology" 誌に掲載されました。
研究の方法
ステンレス、セラミックのタイル、木製、およびカーペットという4種類の表面(床に相当する)をエンテロバクター・アエロゲネス菌(*)で汚染させたのち乾燥させ、さらに一定の時間を設けて一般家庭の普通に汚れた床を再現しました。
(*) サルモネラ菌の親戚にあたるが病原性はなく、ヒトの消化管にも普通に生息している。

そしてそこに、スイカ、パン、バターを塗ったパン、またはグミキャンディーという4種類の食品を落として、食品が表面に接触してから1秒未満・5秒・30秒・5分が経過した時点で食品の細菌汚染状況を調べました。

それぞれの表面・食品・経過時間の組み合わせで20回ずつ試験を行いました。 試験回数の合計は 2,560回(*)となります。
(*) 4種類の食品×4種類の表面×4種類の経過時間×20回で 1,280回となるはずが 2,560回なのは、試験に使われたE.アエロゲネス菌が、ペプトン食塩緩衝液で培養されたものとトリプチック・ソイ・ブロスで培養されたものの2種類であったため。
結果
食品の種類
細菌汚染が最もひどかった(*)のは水分が多いスイカで、もっともマシだったのは水分が少ないグミ・キャンディーでした。 このことから、床に落ちた食品の細菌汚染の程度が食品に含まれる水分の量に左右されることがわかります(†)。 また、食品が表面に落ちてから経過した時間が長いほど、食品にまみれつく細菌の数が多いのが一般的でした。

(*) 食品に移動してきた細菌の多さだけでなく、細菌が食品に移動してくるまでの時間の短さも意味しているのだと思われます。

(†) 研究者によると、細菌には足が無いため移動するのに水分が必要で、それゆえに水分を多く含む食品は床に落ちると汚染されやすくなります。
表面の種類
意外なことに、表面がタイルやステンレスである場合よりもカーペットである場合のほうが、細菌汚染が軽微でした。 表面が木製である場合には汚染の程度は様々でした。
カーペットは毛が生えているために、表面積が大きい(細菌が住み着く場所が多い)一方で食品と表面とが接触する面積は小さいのでしょう。
まとめ
食品が床に落ちてからの経過時間が長いほど食品が汚れるという点において5秒ルールは正しいのですが、床に落ちてからの時間と同じくらいに、落ちる食品や落ちられる床の性質も大切です。
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