(2017年10月) 華中科技大学(中国)の研究チームが "Medicine" 誌に発表したメタ分析によると、葉酸塩(ビタミンB9)に頭頚部ガン(舌・顎・耳の下などにできるガン)を予防する効果が期待できるかもしれません。
メタ分析の方法
葉酸塩摂取量と頭頚部扁平上皮ガン(*)のリスクとの関係を調べ 2017年4月までに発表された9つの研究のデータを分析しました。
(*) 頭頸部ガンの中でも一般的なタイプのもの。
結果
葉酸塩の摂取量が多い場合には少ない場合に比べて、頭頚部扁平上皮ガンのリスク(オッズ比)が50%近く低くなっていました。 葉酸塩の摂取量が100μg/日増えるごとに頭頚部扁平上皮ガンのリスクが4.3%減るという計算になります。
葉酸塩について
サプリメントとして市販されているビタミンB9の多くは天然の葉酸塩(folate)ではなく人工的に合成された葉酸(folic acid)です。 葉酸は葉酸塩に比べて吸収効率が低いほか、(葉酸塩ではなく)葉酸の過剰摂取により免疫系に悪影響が生じたり乳ガンのリスクが増加したりするという話もあります。
今回のメタ分析では "folate" という言葉が使われているので、人工的に合成された葉酸ではなく天然の葉酸塩に限った話でしょう(葉酸と葉酸塩の区別をしていない可能性もありますが)。
ビタミンB9のサプリメントの中にも天然の葉酸塩を含有するものがありますが、そうしたサプリメントは葉酸のサプリメントよりも高価です。