葉酸とビタミンB12のサプリメントでガンのリスクが増加?

(2018年10月) "Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention" 誌に掲載されたエラスムス大学医療センター(オランダ)などの研究で、葉酸(folic acid)とビタミンB12のサプリメントを数年間にわたり服用した人は大腸ガンのリスクが増加するという結果になりました。
Sadaf Oliai Araghi et al. "Folic acid and vitamin-B12 supplementation and the risk of cancer: long-term follow-up of the B-vitamins for the Prevention Of Osteoporotic Fractures (B-PROOF) trial"

研究の方法

葉酸(400μg)およびビタミンB12(500μg)のサプリメントの骨折リスクへの影響を調べるランダム化比較試験(期間は2~3年間)に参加した高齢(65才以上)の被験者 2,524人のガンの発生状況を長期間(年数は不明)にわたり追跡調査しました。
今回の研究ではたぶん、ランダム化比較試験が終了してサプリメントの服用が被験者の任意になった時点から長期間(年数は不明)にわたりガンの発生状況を追跡した(たぶん今回の研究自体はランダム化比較試験ではなく前向きコホート研究)。

結果

葉酸とビタミンB12を服用していたグループは服用していなかったグループに比べて、ガン(種類を問わない)のリスクが25%増加していました(143件に対して171件)。 大腸ガンに限る(*)77%のリスク増加でした。
(*) 論文要旨の「研究の目的」の項に「葉酸とビタミンB12のサプリメント服用がガン全般および大腸ガンのリスクに及ぼす影響を調べる」と書かれているので、ガンの種類別に分析して大腸ガンでのみ統計学的に有意な結果だったので大腸ガンのリスク増加だけを記載した(他の部位のガンでは統計学的に有意な結果ではなかった)というわけではないかもしれません。

解説

葉酸塩とビタミンB12は(ビタミンB2やB6とならんで)一炭素代謝(one-carbon metabolism)と呼ばれる経路において必須の栄養素です。 一炭素代謝のバランスが乱れているとガンのリスクが増加する恐れがあります。

今回の結果は確定的なものではありませんが、今後の同様の研究の結果しだいでは、ビタミンが欠乏しているなど一部のケースを除いては葉酸やビタミンB12のサプリメントを服用すべきではないかもしれません。