閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

葉酸の摂取量が多いと免疫力が落ちる

(2016年1月) "Journal of Nutritional Biochemistry" に掲載されたタフツ大学(米国)の研究によると、葉酸(人工的に合成されたビタミンB9)の摂取量が多いと免疫細胞の能力が衰える可能性があります。

過去の研究にも、葉酸の摂取量が多いとウイルス感染症やガンと闘うための免疫力が衰えることを示すものが複数あります。

研究の方法
高齢のマウスを2つのグループに分けて、一方のグループにはヒト用のRDA(*)に沿う量の葉酸を与え、もう一方のグループにはその20倍の量(†)の葉酸を投与しました。

(*) 推奨一日許容量。 97.5%の人においてビタミンなどの所要量を満たすのに十分であるとされる摂取量。

(†) マウスは葉酸の代謝速度が速いので、このように大量を投与しました。

そして、免疫細胞の一種であるNK細胞の細胞傷害性(他の細胞を破壊する能力)を両グループで比較しました。

結果
葉酸を大量投与されたグループでは、成熟NK細胞(免疫細胞としての効果が強い)よりもナイーブNK細胞(効果が弱い)の比率が高くなっていました。 大量の葉酸によりNK細胞の発達プロセスが損なわれるのではないかと考えられます。
NK細胞
NK(ナチュラル・キラー)細胞はウイルスやガンに冒された細胞を識別して攻撃します。 したがってNK細胞の機能低下はウイルス感染症やガンになるリスクが増加する原因となります。
関連研究

今回の研究チームが 2005年に発表した研究では、閉経後女性の78%で葉酸が代謝されないままに血流中に存在し、そういう女性ではNK細胞の活性が低いことが示されています。

"Journal of Nutrition"(2017年)に掲載された研究ではヒトを対象に行われた臨床試験で、平均年齢28才の健康な男女30人(女性15人)に葉酸5mg(*)を含有するサプリメントを毎日飲み続けてもらい、服用開始から45日目および90日目の時点でNK細胞の数が減り細胞傷害性が低下するという結果になっています。
(*) 日本のガイドラインでは、成人の葉酸の推奨摂取量が240μg/日、耐用上限量が1mgとされているので、5mgは非常に多い量だということになります。